本音を言えない。または言い過ぎる
たとえば、相手への不満が見つかった時や、2人の間に違和感を感じた時――それを言葉にして相手に伝えること、または、2人の関係を育てる出来事にまで昇華させることは難しい。とても難しいことだからこそ、日々、心の中に生まれいずる“小さな本音”を相手に伝えることもなく、無視してしまいがち。とはいえ、小さくとも、本当に思っていることや違和感は相手に伝えない限りは、消えないし、むしろ、どんどん大きくなってく。あげく、心の奥で腐って膿んでいく。膿んだ澱が心の容量を超えてあふれ出した時に、突然の別れを決意してしまう人は多い。だから、愛する人に、日々、本音を伝えることはものすごく大事なことなのだ。けれど、のべつまくなしに、言いたいことを言えばいいというのもNG。どんなに愛し合っている2人でも、価値観や人間性は相違があるのが当たり前だし、本音や正義はなかなか正しくは届かないもの。常に相手の気持ちを思いやりながら、注意深く、少しづつ、自分の思っていることを、伝えることが大切だ。
別れを告げられたら、どうすればいい?
以上は、突然の別れを引き起こす、ほんの一部の理由だけれど――。何が理由であるにせよ、恋愛や人間関係は想像以上に繊細で壊れやすいものであることを理解した上で、平穏な日常に安住せず、怠惰にならずに、日々、愛を育もうとするならば、突然の別れは、だいぶ回避できるのではないだろうか。それでも、突然の別れが訪れてしまったら? そこからもがいてみるのもひとつの手段ではあるけれど、大抵の場合、覆水盆にかえらず。
「もしかして、相手は何かを誤解しているのかもしれない」「自分が変われば、絆を取り戻せるかもしれない」と後悔の念に捕らわれて苦しくなってしまうけれど、去られた側がいくらもがいたところで、もがくほどに相手の心は離れてしまうもの。
ここは、運命のなせるイタズラだと、客観的に考えて、すべてを受け入れるように努めてみる。「去る者は追わず」の姿勢がいちばんいいのではないかと思う。去るものを追わなければ、運命は新たな地に向かって開ける。
去るものを追わずに、幸せを願う
忘れようと思って忘れられるほど、愛は軽いものではないはず。もう必要とされないなら、あとはただ相手の幸せを願うこと |
執着せずに、でも、素直に想う。相手の幸せを願いながら、自分の今を生きる。大好きな人が戻ってきたら、「今度は助けになってあげよう」と静かに思う。すると、心に火が点る。ただ、去る者は追わずの姿勢でいるだけでは、ラクにはなっても、心に穴が空いてしまったような淋しさもあるけれど、去った相手の幸せを願えば、その空白もふんわりと満たされるのだ。不思議なことに。
別れの孤独に効くのは、想われること以上に、相手を想うこと。大好きな人に突然、別れを告げられてしまった人、諦めきれない人はぜひ、試してみて欲しい。