岩村明憲、日本球界復帰が再びメジャーに
岩村にオファーを出したアスレチックス。細く短いチャンスをつかみとれるか― |
今季、レイズからパイレーツへ移籍したが、打撃不振で6月に戦力外通告を受けた。移籍球団が見つからず、傘下のマイナー3Aインディアナポリスで再昇格を目指し、プレーを続けていた。ところが、9月7日(日本時間8日)にそこも解雇され、10日(同11日)、他球団とも自由に交渉が可能なFA(フリーエージェント)となった。「日米のこだわりはない。必要とされるうちに(日本へ)戻りたい」と日本球界復帰も視野に入れていたのだ。
“朗報”は突然やってきた。フロリダ州の自宅で体を休めていると、エージェントからア・リーグ西地区2位のアスレチックスが欲しいとの知らせを受けたのだ。岩村はその日の朝に更新した自身のブログで「ビックリ。大どんでん返しですね。一週間のブランクはありますが、3Aでの時間が無駄じゃなかったことを証明してきます」と喜びを表現した。
ア軍にとって、チーム二冠王(14本塁打、69打点)で三塁手のケビン・クーズマノフ内野手(29)が腰痛で離脱したための緊急補強。二、三塁も守れて出塁率も高い岩村に白羽の矢を立てた。契約は今季終了までで、給料はメジャー最低年俸40万ドル(約3360万円)の日割り。岩村は9月以降の移籍選手となるため、プレーオフの出場資格はないが、来季、ア軍からの残留オファーも含め、大リーグ各球団への絶好のアピール場となる。
岩村の三塁守備には定評がある。ヤクルト時代の10年間は、中堅で15試合出場した以外はすべて三塁を守り、ゴールドグラブ賞を6度受賞した。メジャーでは07年デビルレイズ時代に120試合守ったが、08年以降はチーム事情により二塁に転向。3年間で1イニングしか三塁でプレーしていなかったが、今年3Aでは出場50試合中38試合で三塁を守った。ア軍のボブ・ゲレン監督も「三塁手として堅実で、打撃もいい。十分にやってくれると思う」と期待しての入団となった。