株式戦略マル秘レポート/藤村哲也の「次のお宝株を探せ!」

カカクコムがぐるなびを抜く?

カカクコムの運営する「食べログ」が好調です。ライバルの「ぐるなび」は、コンサルティングも行う関係上、飲食店側の主観的な情報提供になりがち。それに比べ、食べログは口コミでの情報提供になるため、より情報の客観性が高く、これが利用者急増の大きな理由のひとつとなっているようです。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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食べログが絶好調! ぐるなびを抜いた!

カカクコムの運営する「食べログ」が好調です。ライバルの「ぐるなび」は、コンサルティングも行う関係上、飲食店側の主観的な情報提供になりがち。それに比べ、食べログは口コミでの情報提供になるため、より情報の客観性が高く、これが利用者急増の大きな理由のひとつとなっているようです。

また、掲載料金も「ぐるなび」より割安になるため、掲載店も急増。「食べログ」の掲載レストラン数は2008年4月が15万7000店でしたが、現在は2年で4倍近くの約57万7000店にも達しています。掲載料は従来無料でしたが、2009年3月より課金制(月間5000円)を開始しました。その有料会員数は順調に増加し、今年の5月には8000件を超えてきております(現在月間1000件以上のペースで増加中)。来年3月には2万店の有料会員獲得を計画しているようです。

PVと利用者も順調に増加しています。月間PVは過去2年で4.4倍の2億9340万と順調に増加。利用者数を直近の5月のデータで見てみると、PC・モバイル合わせて1971万人となっています。PCでの利用者は1488万人と過去1年で1.76倍に増えているのですが、特にモバイルは483万人と過去1年間で約7倍になっており、全体PVにおける比率も10%未満から25%程にまで増加しています。会社側はこのモバイルサービスを一層充実させる方針のようです。

モバイルユーザーが増えている大きな要因はズバリ、画面が大きい「iPhone」など、スマートフォン市場が拡大したこと。これにより、従来PCでの利用に留まっていた利用者が、外出先で同サイトをスマートフォンで利用するというケースが飛躍的に増えたのです。そしてこれが過去1年で約7倍ものモバイルサイトの利用者増加に繋がり、グルメサイトトラフィック量でぐるナビを抜くことになったのです。

※Nielsen NetRatings 2010年6月調査より、食品、料理カテゴリのグルメサイトのトラフィック順位にて食べログ 12.8% ぐるナビ 11.9%とトップに躍り出た模様(カカクコム説明会資料)。

有料課金サービスに注目!

さて、次にビジネスモデルについて考えてみましょう。現在、同社のビジネスモデルは生活サイトを立ち上げ、価格比較や口コミなどを通して消費者を引き付け、そのサイトのPVと利用者を増加させることでサイトの価値を高め、広告、クリック課金などで収益を上げるというもの。

しかし同社は9月10日、iPhoneアプリ版のアップデートにおいて一部の機能を有料課金サービスとしました。これが成功すれば他のサイトへの採用も含めて大きなビジネスチャンスになる可能性を秘めています。

食べログのモバイル利用者数は5月で483万人と話しましたが、この483万人のうち仮に100万人(2割超)が月額300円課金したとすれば年間36億円の売上です。コストがあまりかかりそうもありませんので、大きな利益貢献に繋がると思われます。また、モバイル利用者は今後ますます増えると予想されますので、ここからの売上はさらに増えていく可能性があると言えるでしょう。

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