将来の使い勝手を考慮しよう
都市型狭小住宅の事例。これは分譲住宅で、敷地を目一杯使って建てられている。このような建物が「いい住まい」なのか考えてみることも必要かもしれない |
2階にLDKがあるということは、主婦にとっては毎日の買い出しが一大事。若くて体力があるうちはよいのでしょうが、年齢を重ねるにつれ買い物袋を下げて階段を上り下りするのは大変な作業になります。
階段の上り下りが365日、何十年も続くことを考えてみてください。主婦の方だけでなく、どなたにとっても大変だと想像できますよね。高齢者になって足腰が不自由になった場合、住宅が大きな負担になることは間違いありません。このような状況は何も都市型住宅に限ることではありませんが、結構みられるケースではないでしょうか。
話を都市型狭小住宅に戻すと、1階をガレージや店舗にしなければならないというどうしても必要に迫られる場合以外、このような間取りは私としてはあまりお勧めできません。もし、どうしてもということであれば、階段の傾斜を緩やかにしたり、手すりを予め取り付けておくことは必須になるでしょう。
ユニバーサルデザインの徹底度合いもポイント
ユニバーサルデザインの階段(積水ハウス)。踏み板の幅や傾斜角度、手すりの形状に至るまで様々な工夫が盛り込まれている |
都市型狭小住宅はもちろん、あらゆる住宅においてユニバーサルデザインの配慮のあるなし、十分であるかそうではないかは使い勝手に大きく影響します。いい住まいづくりのポイントとして是非、参考にしてみてください。
一方で、ユニバーサルデザインとして実際にどのような工夫が行われているかというと、実は大変地味な世界。とはいえ、その徹底にはハウスメーカーの間でまだまだ差が存在します。住まいづくりの細かい部分への配慮を見分けるためにも役立ちますから、もっと注目されていい分野だと思います。
今後、このユニバーサルデザインに焦点をあてた記事を別の機会に紹介するつもりです。それでは次のページにおいて、「子育て住宅」と「2世帯住宅」を例に長期優良住宅を考えてみましょう。