営業の現場では、「お客様の要望通りのプランを提案します」なんて言っている営業担当者もいるようです。しかし、「お客様」の要望を全て反映したプランが、必ずしも良いプランとは限らないのが、住まいづくりの難しいところ。

シアタールーム
ガイドが新築するなら採用したいのがシアタールーム。しかし予算の問題で難しいでしょう。まぁ新築の計画すらありませんが…
それは、私たちのニーズというのは、足元が見えていない場合があるからです。例えば予算の問題。ニーズを全て反映させると予算を大幅にオーバーしてしまうことなんてザラにあるケースです。ですから、希望と現実のうまい落としどころをみつけてくれて、現実的なプランを提案してくれることも営業担当者に求められる資質の一つです。

もう一つわかりやすい例をあげると、皆さんには子育てに適した住まいが欲しいというニーズがあると思いますが、その場合、子育てを終え、子どもが巣立ってしまった時のことまでは頭が回っていないケースがあります。

このような場合、「将来のことを考えた場合、このようなプランにした方がいいですよ」と、提案してくれる営業担当者の方がいいはずです。まあ、これくらいは最近のトレンドを勉強していない営業担当者以外は当然のことでしょうが。

階段
急な傾斜になると階段スペース自体は広くなる。しかし、急傾斜や階段の踏み板の狭さが、将来、年をとったときに大きな問題になる場合もある
こんな例も。居住スペースをできるだけ広くとりたいというニーズは誰にでもあります。だから階段スペースを狭くする、つまり階段の傾斜を急にすればいいと思いがちですが、それでは階段を危険な場所に変えてしまうことにつながります。

私たちは、新しい住まいについて「こんな風にしたい、ああいった感じにしたい」と様々な意見を持っていますが、現実的ではない、またはそれが長い目で見て皆さんのためにならない場合もあるのです。私たちの性急なニーズを、長いスパンで見た正しい方向に向かわせてくれるのも良い営業担当者。プロの仕事です。

プロの仕事というのは、私たちが考えている以上の住まい心地、より高度なプラスアルファの提案をしてくれること。それが(3)です。「住まい方提案」とよく言われるのですが、ここに最も営業担当者の能力の差が現れてきます。

次のページではこの住まい方提案について、もっと掘り下げてみたいと思います。