強迫神経症・不安神経症・パニック障害/強迫神経症・不安神経症

尽くしたい気持ちが強迫観念になるとき(3ページ目)

尽くすのも愛情表現の一つ。好きになった相手に尽くして何がいけないのでしょう? しかし、これが強迫観念になりうる事は案外見落としがちです。相手に尽くすことに潜む心の問題を説明します。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

尽くしたい気持ちが強迫観念になるとき

相手に尽くしたい気持ちが強ければ強いほど、相手への愛情が強いと言えますが、何でも自分を二の次にするほど相手に尽くしている時は、その人の心の問題が関与している場合もあります。

相手への尽くし方が過剰になってしまう理由として、自分に自信が持てず、「尽くさないと相手は自分を去ってしまう」といった考えが根付いていたり、理想化された恋愛観に自分が縛られているなど、さまざまな事が考えられます。もしも、自分でもそこまでする事はないと分かっているのに尽くすことを止められない場合には、相手へ尽くすことが強迫観念化していると言えます。

強迫観念は、一般に、「○○しなくてはならない」「○○でなければならない」といった、頭の中に頻繁に入ってくる観念の事で、なかなか頭の外へ払いのけられません。その観念が頭の中に占める時間が長ければ長いほど、日常に必要な活動が出来なくなってきます。

強迫観念はとことんやり過ぎてしまう、完璧主義の人に生じやすい傾向がありますが、親から厳しい躾を受けたといった家庭環境や日常生活からのストレスなど複数の要因が絡み合って生じるものです。

人を愛する時は感情が大きく揺さぶられる時ですので、元々、心の中にあった傾向、例えば、物事に行き過ぎてしまいやすい人はその傾向がはっきり外に現われてしまう時なのかもしれません。

>> 最後に、尽くしすぎを自覚したときにすべきことをご紹介します。>>
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