/抗うつ剤・抗不安薬・向精神薬・精神安定剤

抗うつ薬・睡眠薬(睡眠改善薬)

これらの薬は、睡眠改善薬以外、市販薬としては手に入りません。しかし、薬がどのような作用を示すのかを知っておくと良いと思います。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

抗うつ薬・睡眠薬

自己判断はせず、医師や薬剤師にご相談ください
うつや睡眠薬に関しては、OTC医薬品(市販薬、一般用医薬品とも呼ばれています)としては、販売されていません(文末でご紹介する睡眠改善薬を除く)。古い薬から新薬まで、数多くありますので、代表的なものをご紹介します。

これらの薬には、まず、ベンゾジアゼピン系(BDZ)やバルビツール酸などがあります。中枢神経系のGABA(抑制ではたらく神経)の作用を促進させることにより、緊張を抑えたり、不安や眠気、けいれんなどに効果を示します。
 主に 抗不安薬の成分として、ジアゼパム、ロラゼパム、催眠薬として、テマゼパム、ロルメタゼパム、ニトラゼパム といった薬があります。

また、抗うつ薬の成分として、アミノトリプチン、ロフェプラミン(三環系(さんかんけい)抗うつ薬)やブスピロン(β遮断薬(交感神経を抑制))などがあります。

さらに、セロトニンという脳内にある神経伝達物質の量を増やして、うつを改善させる薬もあります。SSRI(セロトニン再取込阻害薬:デプロメール錠・ルボックス錠、パキシル錠)や、セロトニンの増加だけでなく、ノルアドレナリン(意欲がでる脳内伝達物質)の作用を促すSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、トレドミン錠)などがあります。
詳しくは、こちらをご覧ください。うつ病の薬について>増え続けるうつ病…薬の基礎知識と注意点
 
その他、以前乱用で問題になりましたが、中枢神経を刺激する薬であるリタリン(塩酸メチルフェニデート)は、うつ病の適応はなくなりました。向精神薬・リタリンの副作用と注意点


睡眠改善薬

睡眠薬は、効果の穏やかな睡眠改善薬は、OTC医薬品として薬局で購入できます。詳しくはこちらをご覧ください。最近眠れないの……睡眠改善薬

■ ドリエル(エスエス製薬)、ナイトール(グラクソ・スミスクライン)、グ・スリーP(第一三共ヘルスケア)(15歳以上2錠/1回、就寝前、15未満服用不可)
効能・効果:一時的な不眠の寝つきが悪い、眠りが浅いという症状の緩和
成分:塩酸ジフェンヒドラミン

■ アロパノール(全薬工業)(15歳以上7錠/1回、1日1~3回)
効能・効果:虚弱な体質で神経が高ぶる次の諸症状、神経症、不眠症
成分:生薬成分(カンゾウ、チョウトウコウ、センキュウ、サイコ他)

■ レスティ錠(大正製薬)(15歳以上6錠/1回、1日1~3回、食間)
効能・効果:神経がたかぶり、気分がふさいで、不眠傾向のある次の諸症状、眠りが浅い、寝つきが悪い、目ざめ易い、意欲減退、気分がふさぐ、イライラ、怒りっぽい、あせり、神経質
成分:生薬成分(カンゾウ、チョウトウコウ、抑肝散加芍薬黄連水性乾燥エキス)

他の病気が原因で不眠になっている場合や、重度の不眠の場合などは、医師に相談しましょう。
薬局で売っている睡眠改善薬は、興奮して眠れない、精神的に疲労している、眠りが浅い、寝つきが悪いといった状態などの軽度の不眠にお勧めします。

それほど効果は変わらないといわれていますが、種類がいくつかありますので購入するときには、薬剤師に相談してみましょう。
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