感染症の原因とは?

細菌イメージ

人間は一部の細菌と共存していますが、感染症となるのは病原性のある細菌が原因です

感染症は、細菌などが生体に入り増殖することで、生体の機能に障害を与え、免疫反応を引き起こす状態をいいます。感染症は、細菌だけでなく、ウイルス、真菌(カビ)、原虫・寄生虫と、それぞれ原因があります。細菌性、真菌性、ウイルス性の感染症の特徴や症状、また処方される抗生物質などの感染症の薬をご紹介します。

【部位別】「細菌性」の感染症で現れる症状

コレラ、赤痢、結核、ジフテリアなどの古くから有名な病気は、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌といった菌などが、体内に入ることで起こります。 全身症状としては、発熱、悪寒から始まり、発汗、頻脈など。

また、以下のように感染した部位よって、他の症状が出ることもあります。

  • 呼吸器(咽頭、肺など)への感染……咳や痰などの症状。肺炎球菌、肺炎桿菌などが原因のことも。
  • 消化管(胃腸)への感染……腹痛、下痢、嘔吐、下血などの症状
  • 心臓内膜への感染……胸痛、不整脈、心不全などの症状
  • 尿路(腎臓・膀胱など)への感染……頻尿、残尿感、排尿痛などの症状

検査で上記の原因菌を突き止め、それにあった感染症の薬を点滴したり飲み薬として投与することで治療します。感染した部位が化膿した場合は抗生物質などの薬剤を投与し、重症な場合は外科的に切除することもあります。


【使用方法別】「細菌性」の感染症で処方される抗菌薬(抗生物質)

■経口薬(飲み薬)
口から飲んで使用する抗菌薬(抗生物質)として主に処方されている薬には、以下のようなものがあります。

<例>
クラビット(第一三共)、フロモックス(塩野義製薬)、クラリス(大正製薬)、メイアクト(明治製菓)、セフゾン(アステラス製薬)、ジスロマック(ファイザー) 他

口腔内や喉(上気道炎)、扁桃腺の炎症で、風邪などのときに皆さんも病院の外来で処方されることがあると思います。その他、外傷による感染症、性感染症などに使われます。子供用の粉薬(ドライシロップ)として、上記の一部に加えて、トミロン(富山化学)、バナン(第一三共)、ケフラール(塩野義製薬)などもあります(成人にも使われますが)。それぞれ、味が異なり、溶かすと苦みがあるものもありますので、薬剤師にご相談ください。

※インフルエンザウイルスの治療薬のタミフルには小児用もあります。

■注射薬(点滴)
注射薬で使われる抗菌薬(抗生物質)として、以下のようなものがあります。 

<例>
フルマリン(塩野義製薬)、ファーストシン、パンスポリン(武田薬品工業)、バンコマイシン(塩野義製薬)、チエナム(万有製薬)、マキシピーム(ブリストル)など

点滴は直接すぐに血中に入るので、早い効果が期待できます。また食事に影響されないので、食事が取れない方にも用いられます。主に入院で使用され、肺炎、全身性の感染症、手術後の感染症予防、髄膜炎など比較的重篤な場合にも使われます。

■点眼薬
点眼薬としては、以下のようなものがあります。

<例>
クラビット(参天製薬)、ノフロ(万有製薬)など

これらは、結膜炎やものもらい(麦粒腫(ばくりゅうしゅ)、霰粒腫(さんりゅうしゅ))など、目の感染症に使います。点眼薬は、1つの目に1種類1回につき1滴が適正量。たくさんつけても流れ落ちるか、眼の内側のふちにある穴(涙点)から、鼻やのどに回ってしまいますので、きちんと適正量をつけるようにしましょう。

■塗り薬・座薬
その他、塗り薬や坐薬にも抗菌薬(抗生物質)があります。直接患部に使用するので全身の副作用が少ないという特徴がありますが、塗りすぎや少なすぎも問題です。きちんと適正量を適正回数使用するようにしてください。


「真菌性」の感染症に処方される薬剤

一番わかりやすいのは、皮膚表面に感染する真菌感染症だと思います。白癬菌による感染で、爪を含め手足にできる水虫や、体にできるたむしなどがあります。その他、内臓に感染する真菌も。特に知られているのは口腔内や陰部も含め内臓に感染するカンジダ症で、かゆみや白い分泌物が特徴です。

真菌感染症は、普段なら自己免疫で防衛できる真菌(カビ)が、何らかの理由による免疫低下で増殖することで発症します。免疫が下がる原因として、極度の疲れや、HIVなどの免疫が下がる病気が挙げられますが、さまざまな細菌に効く抗菌薬、ステロイド、抗がん剤(抗悪性腫瘍薬)、免疫抑制薬などの薬を使用することで、副作用としてこの真菌感染症を発症することがあります。

治療薬としては、抗真菌薬の中でも、真菌(カビ)に効果のあるものを使用します。真菌の発生部位にもよりますが、点滴(注射)では、アムピゾーム、アンコチル、イトリゾール、ジフルカン、ファンガードなどがあります。


「ウイルス」の感染症で処方される薬剤

ウイルス感染症は、そのウイルスの種類とそのウイルスの感染部位(ウイルスが好んで増殖する部位)によって異なります。肝炎ウイルスとして、C型肝炎や、インフルエンザウイルス、水疱瘡などの原因であるヘルペスウイルスなどがあります。また、HIV感染症もウイルスです。

治療としては、それぞれに効果のある抗ウイルス薬を用いますが、ウイルスを死滅させるのではなく、ウイルスの働きを抑えたり、増殖を抑制するという作用を示します。また、免疫を高めてウイルスへの抵抗力を高めるという薬剤もあります。

■抗インフルエンザウイルス薬として使われる薬剤 
シンメトレル(アマンタジン)は、A型、リレンザ(ザナミビル)、タミフル(オセルタミビル)は、A、B型に効果があります。現在、リレンザ、特にタミフルは、新型インフルエンザにも使用され、注目を浴びています。

■抗ヘルペスウイルス薬として使われる薬剤
ゾビラックスなど(アシクロビル)は、後発品もたくさん出ていますが、経口薬だけではなく塗り薬なども。その他、バルトレックス(バラシクロビル塩酸塩)、アラセナA(ビダラピン)、デノシンン(ガンシクロビル)などがあります。

帯状疱疹や、口腔ヘルペス、性器ヘルペスなど、ヘルペスウイルスの疾患に用います。アシクロビルの塗り薬は、口腔ヘルペスの再発治療薬としてスイッチOTC医薬品となり、薬局でも処方なしで購入することができます。

■抗HIV薬として使われる薬剤 
数が多く、1剤だけでなく数種類一緒に服用することで耐性化させないようにする飲み方をすることがあるので、ここでは主な薬の商品名(一般名)のみ掲載しますが、アイセントレス(ラルテグラビル)、ノービア(リトナビル)などが代表的です。

感染症の薬といっても、細菌、真菌(カビ)、ウイルスであるか、またその種類によって、そして発病した個所(全身、局部など)によっても治療薬と方法が異なるので、医師の指示に従い、きちんと治療するようにしましょう。
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