業者によって記述方法が異なる見積り書。読み方を間違えていては、予算を抑えることが困難になります。
しかし、業者はともかく、一般消費者の立場からすると、見慣れていない書類で、あれもこれも見抜くことは非常に困難であり、なんとなく業者の説明をそのまま鵜呑みにしてしまうことが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リフォーム工事の見積りをしっかり読んで理解するために役立つ、簡単なチェックポイントをご紹介します。相見積りで効果を発揮すると思いますので、ぜひ押さえておきましょう。
「材工共」は材料費と工事費がセット
家電品ならばお店で買ってきて、コンセントに差し込めば使えますが、リフォームの場合、住宅設備を買ってきても、それを据え付けないとリフォームとは言えません。しかも、既存の設備や建材を一部取り替えたりする必要もあったりして、ここがリフォーム見積りを複雑にしている理由になります。例えばフローリング工事の場合、現在の床を剥がし、下地を直した上で、新しく購入する床材を施工するので、「材料費」+「工事費」という見積りになります。それでは、次の見積り例を見てください。
【見積り書の記載例】材料費と工事費を別途に記載する場合と、「材工共」で記載される場合の2パターンがあります。 |
上記のように、材料費と工事費を別々に記載する場合と、材料費と工事費を一緒にした「材工共(ざいこうとも)」で記載される場合があります。どちらも正しい書き方と言えますが、材料となる設備・建材のグレード変更を検討している場合は、材料費・工事費がそれぞれ算出されている方が予算計画を立てやすいはずです。複数業者の見積りを比較するときは、上記の点をしっかり頭に入れた上で見比べるようにしましょう。
施工面積変更時は単価に気をつける
施工する面積によって、工事単価は異なります。早合点して単価だけで計算するのは考え物です。 |
例えば、100m²のクロス張替えで10万円という見積りが出た場合に、同一の業者であっても、20m²で2万円の見積りになるとは限らないということです。リフォーム工事は一般的に、施工面積・範囲が小さくなるほど、無駄な資材、工事上のロスが多く発生しやすくなるため、単純な割り算では算出できない部分があるのです。
つまり、複数業者の見積りを依頼する際には、同一条件で見積りをしてもらい、施工範囲を少なくする可能性があるのなら、あらかじめその旨を説明しておけば、リフォーム業者も施工面積と工事単価について詳しく解説してくれるはずです。
次のページでは、設備・建材の値引解釈の仕方と、経費などについてご紹介します。