がん治療の第一関門は病院探し?
健康診断や何気なく受診した病院でがんの可能性を指摘された時、考えなくてはならないのは、どの病院で治療を受けるかです。いわば、病院選びは、がん治療の第一関門と言えるでしょう |
大学病院? 県立病院? いやいや、駅の広告でよく見るあの病院? それとも、インターネットで検索した評判の良い病院?
まさに、情報の洪となっている今の日本では、なかなかどの病院がよいのかは一般の方にとって判断しづらい問題です。
しかし、どこかの病院に行かなくてはならない。そんなときには、どうすればよいのでしょうか?
最大の基本は、医師に相談すること
がん治療における病院選びは、どんなに情報を集めても、どんなに悩んでも、結論が出ないことが多いものです。まずは、今、目の前で説明をしてくれている医師に相談しましょう |
その理由は、今のあなたの状態を、誰よりも理解しているのが目の前にいるその医師だからです。
どの臓器のどの部位に問題があるのか。そして、それは、どの程度のものと考えられるのか、など、色々なことを医師は自らの経験も踏まえて判断していきます。その上で、適切な病院や適切な医師につないでくれる重要な役割を果たしてくれます。「先生が良いと思う病院は、どちらでしょうか?」と思い切って尋ねてみることは、良い治療を進めていく上ではとても大切なことです。
また、地理的な条件も非常に重要です。がんの精査や治療は、ともすれば年単位のスケジュールで考える必要があります。いくらインターネットや書籍で評判のよい病院だったとしても、継続的に無理せずに通えることも重要です。
チルチル・ミチルの青い鳥ではありませんが、自分にあった最適な医療機関やとっておきの主治医は、意外と自分の近くにいるのかも知れません。
少しでも気になったら、セカンド・オピニオンを!
とはいうものの、やっぱりあの病院が気になる! 今の治療法がベストかどうか、聞いてみたくなった! そんな時は遠慮せずにセカンド・オピニオンを聞いてみましょう |
そんなときには、迷わずにセカンド・オピニオンを聞かれることをおすすめします。
セカンド・オピニオンとは、今、あなたが受けている治療や、これから受けようとする治療について、他の医師がどのように考えるのか、ということです。
近年、セカンド・オピニオン外来を設置する医療機関も増えてきました。5000~10000円前後の実費がかかるケースもありますが、自分の病状や治療法に対する第三者の意見を聞くことは、参考になることが多いと思います。ただ、あまり多人数の意見を聞くことは、労多くして功少なしですので、避けられた方が良いでしょう。
今、日本では多くの疾患で治療のガイドラインが定められ、どの病院でも基本的にはそのガイドラインに則った標準的治療が行われるようになってきました。つまり、病院ごとの治療法の違いは、基本的にはないと考えられます。病院選びに時間をかけすぎて、治療の開始が遅れてしまったということがないようにしたいものです。