日本の製薬メーカーが20歳以上の成人男性7710人を対象にインターネット上で行った調査(2009年3~5月)でも、40歳以上の約6割が性機能の低下を自覚していると回答。上記を裏付ける結果を示しています。
ED治療の第一選択といわれるED治療薬はどれくらい使われているのでしょうか。よく効く薬ならではの悩みである、ニセモノの横行問題などと併せて考えてみましょう。
加齢と共に高まるED治療薬の服用率
冒頭で紹介した製薬メーカーの調査によると「今までにEDかもしれないと思ったことがある」男性が20代で26.8%、30代で37.5%だったのに対し、40歳以上では60.8%と高い割合を示しました。年代に比例してEDを疑った経験のある人が増えていることが分かります。「最近1年間で勃起が不十分で、セックスがうまくいかなかった」男性の比率も加齢と共に増加。20代で3人に1人、30代で半数近くであったのに対し、40歳以上では約7割に達しました。
こうした経緯から、実際にED治療薬を服用した経験のある男性は全体の15.3%でした。年代別では、20代:5.0%、30代:10.9%、40代:19.7%、50代:26.1%、60歳以上:33.2%と、ここでも加齢に伴って服用率が高まる傾向にあることが分かります。
ED治療薬で「回数」増えた?ブラジル
海外では、最も多く使われているのが、ED治療薬発祥の国である米国。ブラジルがそれに続きます。ブラジルは、英国のコンドームメーカー、デュレックス社が26カ国の計2万6000人を対象とした「国別・年間性交渉回数調査(07年)」でも、ギリシャ(164回)に次いで第2位(145回)です。このことから、もしかするとブラジルの性交渉回数を押し上げている要因のひとつが、ED治療薬の効果によるものかもしれません。米国はED治療薬の使用率こそ首位ですが、性交渉回数となると第22位(85回)。その事情や関係性については、細かくは分析されていません。
国によって異なる治療薬事情
安い薬には、安いなりの裏がある。安易に手を出すのは危険
ジェネリック品はもともと、新薬の特許が切れた製品を他の製薬会社が手がける安価な同等品(類似品)です。医薬品の場合、特許期間は通常、20~25年で、開発期間が10~15年ですから、発売から10~15年が独占販売期間です。1998年に初めて登場したED治療薬は2010年時点で、特許で保護されているはずです。
にもかかわらず、通販などで堂々と売られているのは“ジェネリック品”を供給しているインドに医薬品の成分特許が認められていないからです。つまり「オリジナル(成分)があってこそのジェネリック」という考え方がないので、そのような薬が出回っているのです。そんなわけでインドの場合はコピー品といった方が適切かもしれません
個人輸入の半数がニセモノ!
専門医の診察を受けて処方してもらうのがゴールデンルール
また、ED治療薬を扱う国内の製薬4社が行った合同調査(08年8月~09年4月)によると、日本とタイのインターネットサイトを通じて個人輸入したサンプルの実に55.4%がニセモノと判明した例もありました。
中には有効成分が1.5倍も含まれているものや、逆に6割しか含まれていないものもあったそうです。承認用量を超えていれば予期せぬ副作用を引き起こし、満たしていなければ期待する効果を得られないことがあります。
このように個人輸入等で、日本の医療機関以外から入手する薬には危険が伴うケースも多く、思わぬ健康被害を引き起こす場合もあります。ED治療薬は、専門医の診察を受けて処方してもらうなど、正しいルートで入手して安全に使用しましょう。
>>ED治療薬の個人輸入が危険な理由
>>ニセモノのED治療薬にご用心!