妊娠高血圧症候群の治療法

赤ちゃんのためにも生活習慣を見直しましょう

赤ちゃんのためにも生活習慣を見直すことが大切。それでも改善が難しい場合は入院による治療が必要となります

血圧の高さによって、自宅でできる生活改善で様子を見れるケースと、入院して厳重な管理が必要になるケースがあります。血圧コントロールがまったくできない場合、最終的にできる治療は「妊娠の中止」です。帝王切開で赤ちゃんを出してあげて妊娠による母体への悪影響を取り除くことになります。

■食事療法による治療
体重や血圧の高さによって必要なカロリーや摂ってもいい塩分の量が異なってきますが、基本はカロリー・塩分・脂質を抑え、たんぱく質・ビタミン・カルシウムをしっかり摂るようにします。食事の回数を減らしたり、極端に食べる量を制限するのではなく、間食をやめて低カロリー高タンパクな内容の食事を規則正しくきちんと摂ることが大切です。

妊娠高血圧症候群では尿の中にタンパクがもれ出てしまい、たんぱく質不足になりがち。脂身の少ない低カロリーなタンパク源で十分なたんぱく質を補う必要があります。具体的な食材としては、大豆・赤身の魚・鳥のささ身などを色の濃い野菜と一緒にしっかりとるように心がけましょう。

■安静による治療
過労やストレスはできるだけ避け、安静・リラクゼーションを心がける必要があります。妊娠高血圧症候群の症状が重度の場合は、入院して十分な安静が保てるようにします。

パソコンや携帯電話の画面を見たり、テレビを見たりすることは、たとえ横になった状態でも安静にしているとは言えません。特にパソコンや携帯電話の画面で小さな文字や画像を見るのは非常に大きな負担になりますので、医師から安静を指示された場合は絶対に避けてくださいね。どうしても必要な時には、周りを明るくした状態で短時間で済ませるようにしましょう。

■薬物療法による治療
安静や食事療法を行っても高血圧が続く場合は、赤ちゃんに影響が出ないように降圧薬を使うことがあります。妊娠中に使える降圧剤もあるので、お薬の影響を心配する必要はありません。それよりもむしろ、高血圧が続いている状態の方が母子ともに危険な状態と言えます。

■妊娠の中止
妊娠高血圧症候群は、妊娠によって母体の腎臓へ負担がかかったり、免疫反応が起きたりすることが原因ではないかという説もあります。いずれにしても妊娠そのものが母体に悪影響を与えているため、最も効果がある治療法は妊娠を終了させることです。

妊娠高血圧症候群は妊娠8ヶ月くらいから発症することが多く、この時期に妊娠を中断するということは赤ちゃんにとっては未熟な状態で産まれざるを得ないということにいなります。できるだけ赤ちゃんが十分成長してから出してあげた方がいいのですが、重症になると赤ちゃんへ十分な酸素や栄養が届けられなくなって成長が止まってしまったり最悪の場合子宮内で死亡する事もあるので、危険だと判断された場合は赤ちゃんの成長の程度と関係なく緊急帝王切開を行うことがあります。

妊娠高血圧症候群の後遺症

妊娠を中止すれば、血圧や蛋白尿が一気に改善するケースも少なくありません。ただ、中には妊娠中よりもむしろ産後に血圧が上がってしまったり、産後も高血圧が続いてしまうことがあります。また、腎臓への負担があまりに大きいと、腎臓の機能が悪くなって、産後も継続して腎臓に負担をかけない食事を続けなければいけなかったり、透析が必要になったりすることもあります。

赤ちゃんへの影響としては、妊娠の途中でへその緒からの血液の供給が不十分になって酸欠状態で産まれてきたり、非常に早い時期に緊急帝王切開になったために未熟な状態で産まれてきたりした場合は、その後も何らかの後遺症を残してしまうことがあります。

妊娠高血圧症候群は、食事改善や生活改善である程度予防することができる病気ですから、リスクのある人は特に食事の内容や体重管理をしっかりするよう心がけてくださいね。また、妊娠前から適切な体重を保つことや、自分の体に合った食事の習慣を身に着けておくことも大切です。
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