妊娠高血圧症候群の症状・診断基準

妊娠高血圧症候群は命に関わる重篤な合併症です

妊娠高血圧症候群は命に関わる重篤な合併症です

妊娠高血圧症候群は、少し前まで「妊娠中毒症」と呼ばれていた病気。妊娠中に起こりうるトラブルの代表的なものです。「血圧の上昇」「むくみ」「尿蛋白」が3大症状で、これらの症状を見逃さないようにするために、妊婦健診では毎回血圧測定と尿検査を行っているんですね。

むくみは足の「すね」の部分を押さえてチェックしたり、体重が急激に増えていないかを見たりして、確認していきます。軽いむくみは妊婦さんの3割に見られますので、夕方足がむくんでいても翌朝元に戻っている程度であれば問題ありません。逆に、一晩寝ても靴下のあとが元に戻らないような状態であったり、二重が一重になるような顔のむくみ、物が握りにくいくらいの手のむくみが出ているときは要注意。

また、体重を増やしすぎたり、糖尿病を合併していたりすると、妊娠高血圧症のリスクになるので、健診の時に必ず体重と尿糖もチェックすることになっています。体重はできれば自宅でも週に1~2回は測るようにするといいでしょう。1週間で500グラム以上増えていたら増やしすぎなのでお食事の内容を見直す必要があります。

3大症状のうち、特に血圧上昇はひどくなると母子ともに危険な状態になることがあります。妊娠していない人であれば、血圧が130~140くらいまで上がっても「少し高めですから塩分控えめのお食事でカロリーをとり過ぎないように気をつけてくださいね」と言われる程度ですが、妊娠中は普段より厳密に血圧を管理する必要があります。140以上の血圧が続いてしまう場合は、治療と管理のために入院が必要になることもあります。軽いうちにきちんと対処しておかないと、突然血圧が200以上に跳ね上がって、赤ちゃんに十分な酸素がいきにくくなったり、お母さんが「子癇発作」という痙攣のような状態になることがあるので注意が必要なのです。

妊婦健診のたびに血圧を測っているのは、わずかな変化にも早めに気づけるようにするため。医師から「血圧が高めなので注意するように」と言われた時は、必ずしっかりと指示を守るようにしましょう。50年前は妊娠高血圧症候群が原因で亡くなる方が年間約2000人もいました。現在では、病院できちんと管理がされ、適切な治療が行われているため、死亡者数は年間約20人程度に減っていますが、それでも命を落とすことがある合併症であることに変わりありません。


妊娠高血圧症候群の原因・予防法

妊娠高血圧症候群の原因ははっきりとわかっていません。もともと高血圧の人や家族に高血圧の方がいる人、体重が多い人、年齢が高い人は妊娠高血圧症候群のリスクが高いと言えます。また、妊娠中に体重を増やしすぎてもリスクが高くなります。

妊娠高血圧症候群になりやすい人は次のような人です。
  • 高血圧・糖尿病・腎臓の病気がある人
  • 高齢(35歳以上)初産の人
  • 多胎(双子や三つ子)の人
  • 肥満の人や妊娠中に体重を増やしすぎた人 
  • ハードワークやストレスが多い人
  • 過去に妊娠高血圧症候群になったことがある人

妊娠高血圧症候群の予防法

予防するには上記リスクを避ける必要があります。年齢やもともとある病気などはどうすることもできませんが、体重を増やし過ぎないよう食事内容に気をつけたり、適度な運動を行うことはできます。

軽い運動は疲労を取ってストレスを軽減する効果もあるので、楽しくリフレッシュできるレベルの運動を心がけましょう。また、休養と睡眠をきちんと取り、ストレスフルな生活をできるだけ避けることも大切。

タバコは血管を収縮させて高血圧のリスクになったり、胎盤の血流が悪くなる原因となりますから妊娠中は特に厳しく禁煙を心がけてください。
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