前立腺肥大症の治療法 

尿道に内視鏡を入れ、電気メスで肥大した部分を削り取るTURP

尿道に内視鏡を入れ、電気メスで肥大した部分を削り取るTURP

前立腺肥大症の治療は薬物療法と手術療法に大別されます。IPSS(国際前立腺症状スコアー)で、中等以上の人が対象となります。どの手段を選ぶかは症状や年齢を考慮した上で、患者さんと相談して決めます。

前立腺肥大症の薬物療法

■α1遮断薬
前立腺平滑筋の緊張を和らげ、尿道を広げて排尿を楽にするはたらきをするもので、薬物治療の第一選択です。即効性があり、1日から1週間程度で排尿困難などの自覚症状が改善します。

かつてのα1遮断薬は、血管平滑筋にも作用し血管を拡張することから、血圧の低下による立ちくらみなどを引き起こすことがありましたが、最近は血管に影響しない、副作用の少ない薬が主流です。

■坑コリン薬
膀胱の収縮を抑える薬で、尿意切迫感、頻尿などの過活動膀胱を合併している人に用います。ただ、尿の出にくい人に使うと、頻尿が改善しても、尿排出障害が悪化し、尿閉を引き起こすことがあります。

このため、投与する前には尿流測定をしたり、残尿を量ったりします。残尿が多い場合には逆効果となるので、投与できません。慎重に使うべき薬なので、ガイドラインには、泌尿器科でしか使わないようにと書いてあります。

■坑男性ホルモン薬
男性ホルモンが前立腺に作用するのを抑える薬です。前立腺を縮小させることで、閉塞をとるという考え方です。α1遮断薬機能的な閉塞を解除するのに対し、腫大した前立腺による機械的な閉塞を改善します。前立腺はすぐに縮小するわけではないので、効果が現れるまでには3カ月以上かかります。

肥大した状態から30%くらい縮小するので、大きい前立腺には効果があるといわれています。ただし、PSA(前立腺特異抗原)を低下させるので、前立腺がんの診断に影響を及ぼしたり、性機能を減退させたりすることがあります。

前立腺肥大症の手術療法 

薬物療法の効果がないときに選択します。前立腺肥症があるために尿路感染や尿閉を繰り返す場合、膀胱結石、水腎症などの場合は、この方法で治療します。

■TURP(経尿道的前立腺切除術)
前立腺切除術の標準的な治療方法です。下半身麻酔下で、先端に電気メスのついた内視鏡を尿道から挿入し、肥大した前立腺を削り取る手術です。

所要時間は大きさによります。30~40cc程度なら1時間以内、100cc以上だと相当かかります。1週間ほどの入院が必要です。費用は保険適用で18万円です。

■VLAP(レーザー療法)
TURPの要領で前立腺に内視鏡を挿入したのち、内視鏡の先端からレーザーを照射して、肥大した部分を焼き切るものです。入院期間は2~3日、費用は19万円ほどです。

■開腹術
前立腺の大きさが100cc以上超えるような場合に選択されます。前立腺肥大組織の移行領域(内側)を摘出します。60cc程度であればTURPで対応できますが、削る量が増えると出血も多くなるので開腹術のほうが安全です。

入院は1週間ほど。費用は13万円前後です。

前立腺肥大症の予防法 

排尿困難を招く因子を取り除くことが大切です。特に、アルコール、かぜ薬、尿のがまんは大敵です。

血流を促すアルコールは前立腺を腫らして尿閉を引き起こすことがあるので量を控えましょう。坑コリン薬を含むかぜ薬も尿閉を招きます。尿をこらえすぎると膀胱が過伸展になり、収縮を悪化させるので、できるだけ、がまんしないようにしましょう。


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