泌尿器科医 / 腎臓・膀胱・尿管・尿道の病気 ガイド 後藤 百万

ごとう ももかず

泌尿器科学、排尿機能、神経泌尿器科学専門。高齢者の排尿障害、尿失禁の診断・治療、神経因性膀胱、排尿障害におけるQOLなどの多くの研究実績を元に、腎臓・膀胱・尿路の病気に関する情報を解説します。

ガイドからの挨拶

尿路の働きというと、おしっこを作ったり出したりすることとお考えの方が多いと思います。無論、それは尿路の大切な役割ですが、単なる老廃物の排出ばかりでなく、体内の水分や電解質、血圧などを調節するという重要な役割も担っています。私が専門とする泌尿器科では、尿路である腎臓、尿管、膀胱、尿道などの疾患と男性の生殖器に関わる疾患を扱います。尿路の病気には腎がんや膀胱がん、前立腺がんなど、命に関わるような悪性疾患から、排尿障害のように命には関わらないけれども、QOL(生活の質)を損ねるものまで幅広い範囲が含まれます。このシリーズでは、尿路全般の働きと尿路系の疾患について解説する一方、読者に役立つ適切な情報をお届けしたいと思います。早期治療が決め手となる悪性疾患のいち早い発見や、恥ずかしくてなかなか踏み切れない排尿障害の受診の後押しなどにつながれば幸いです。記述に関しては、一般向けの分かりやすさを念頭に置きながらも、医学的に正確であることに留意しています。関心のある尿路系の病気について、それがどのような症状で、どのような治療を要し、どのような方法で治るのか——をお示しできればと思います。

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