昼間の頻尿に回数の制限はない

少し溜まっただけでもトイレに行きたくなる頻尿

少し溜まっただけでもトイレに行きたくなる頻尿

何回もトイレに行くことを頻尿といいます。昼間の頻尿には「何回以上」といった決まった定義はありません。
一般には1日8~10回といわれていますが、診療の場では、その人が「近いな」と感じたら頻尿とみなします。

頻尿の原因は、主として排尿障害によるものと、尿量が多くなる多尿によるものに大別されます。例えば、膀胱が勝手に収縮する過活動膀胱などで尿を溜める力が損なわれると、膀胱内に尿が少し溜まっただけでもトイレに行きたくなります。

また、前立腺肥大症に伴う尿排出障害などによって残尿が多い場合もトイレが近くなります。

糖尿病や水分の摂り過ぎも一因に

糖尿病の場合には、症状として多尿になることが知られています。水分をたくさん摂れば必然的に尿量が増えるので頻尿になります。

また、薬剤性のものとして、利尿剤の投与による多尿があります。治療の一環として投与する利尿剤には、尿をたくさん出させる作用があるので頻尿をきたします。

夜間尿量が1日の33%以上なら夜間多尿

昼間の頻尿に回数の決まりがないのに対し、夜間頻尿の定義は「夜間就寝中に1回以上排尿のために起きる」と学会で定められています。夜間頻尿を起こす原因には、排尿障害ばかりでなく夜間多尿や睡眠障害などがあります。

夜間多尿は昼間の尿量に対して夜間の尿量が大変に多い状態を指します。具体的には、夜間の尿量が1日の尿量の33%以上ある場合です。ですから、1日の尿量が1,000ccだと、夜間尿量が330cc以上あれば夜間多尿といえます。

さまざまな睡眠障害で起こることも

夜間頻尿を招く夜間多尿の原因には、腎機能や心機能の低下、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、水分の摂り過ぎなどが挙げられます。

夜間頻尿の重要な原因の1つに不眠症があります。膀胱に異常がなくても、特別に尿量が多くなくても、夜間頻尿と診断されることがあります。眠れないので、起きるたびに何回もトイレに行く。つまり、睡眠障害のために夜間多尿になるということです。

尿失禁の原因・メカニズム

■括約筋の緩みで起こる腹圧性尿失禁
お腹に入れた力が膀胱にかかることで膀胱内の圧が上がり、尿が漏れる状態です。尿が漏れないように尿道、あるいは膀胱の出口を締めている括約筋が緩むことによって起こります。

基本的に女性に多くみられる尿失禁ですが、妊娠や出産によって骨盤底筋という膀胱や子宮を支える筋肉が緩んだり、弱まったりするのに伴い、尿道の括約筋もゆるくなるために起こると考えられます。

男性では通常、括約筋が弱くなることはありませんが、前立腺肥大症や前立腺がんに対する手術の際、括約筋の一部が障害されるために尿が漏れるということが起こります。

■我慢できずに漏れる切迫性尿失禁
尿を溜めているときに膀胱が勝手に収縮してしまう過活動膀胱の症状の1つです。本人の意思とは関係なく、膀胱が勝手に収縮するので、一旦、おしっこに行きたいと思ったら我慢できずに漏れてしまうものです。

尿意を催してトイレに行こうと思ったら間に合わなくて漏れてしまうとか、別のことをしていて後で行こうと思っていたら急にしたくなって漏れてしまうことがあります。

■あふれて漏れる溢流性尿失禁
膀胱がいつも充満状態であるため、それ以上尿を溜められず、尿道から溢れて漏れる状態です。

原因の1つに前立腺肥大症などによる尿道の通過障害で排尿できなくなり、残尿が多くなった場合があります。末梢神経障害を伴う重度の糖尿病で膀胱の収縮が損ねられた場合にも起こります。また、腰部椎間板ヘルニアにより膀胱の働きを調節する神経が圧迫されて膀胱が麻痺した場合などにも起こります。

■膀胱の働きとは関係ない機能性尿失禁
膀胱や尿道の機能異常ではなく、排尿動作がうまくできないことによる尿失禁です。例えば、認知症があるためにトイレまで行けず、トイレ以外のところで排尿してしまうような場合です。
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