内視鏡で行うピロリ菌検査
ピロリ菌の検査は大きく2通り。費用や検査スピードが異なるので、自分の希望に合う方を選びましょう
■培養法
ピロリ菌も「細菌」なので、採取した胃粘膜の菌を培養することで確実な診断ができます。培養に時間がかかるため、結果が出るまでに3~7日ほどの日数がかかります。
■鏡検法
採ってきた胃粘膜を固定し、顕微鏡で観察してピロリ菌がいるかどうかを探したり、ピロリ菌の影響が胃粘膜にあるかどうかを調べる方法。診断の精度は培養法に比べて落ちますが、すぐに結果がわかるのが魅力。
■迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌は胃の中で生きていくために、尿素をアンモニアに変える「ウレアーゼ」という酵素を出しています。ピロリ菌がいる場合、菌の周囲がウレアーゼの働きによりアルカリ性になるので、pH指示薬の入った容器内にに採ってきた胃粘膜を入れると、酸性かアルカリ性かで色が変わります。色の変化でピロリ菌の有無がわかるので、確実でスピーディーな診断が可能。20分程度で結果がわかります。確実性とスピードを求める方は、この検査法を行っているかを病院に確認してから検査を受けるとよいでしょう。
内視鏡を使わない検査
尿検査、血液検査、呼気検査など、内視鏡を使わずに行う検査法は以下の通り。■抗体検査
人の体は細菌が入ってくると体内に「抗体」を作ります。ピロリ菌に感染した人はピロリ菌に対する抗体ができていますので、これの有無を調べます。血液や尿から調べることができます。
■尿素呼気試験(呼気テスト)
容器に息を吹き込んで、呼気を調べる検査です。ピロリ菌の持っている「ウレアーゼ」という酵素は尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解しますが、このときの二酸化炭素は吐く息の中に出てきます。最初に呼気を採取し、その後特殊な尿素製剤である試験薬を飲んでから20分ほど置いてから再び呼気を採取します。患者さんには全く体への負担がなく、30分ほどで終了する簡単な検査で、かつ性能も優れているので、特に除菌治療をしたあとに確実に除菌できたかの判定によく使われる検査法です。
■便中ピロリ抗原測定検査
便中のピロリ抗原を調べる検査。負担がないので小児での検査も可能。簡易型の迅速診断キットもあり、感染診断および除菌判定において信頼度の高い検査です。