慢性頭痛の種類
定期的に同じような程度の痛みを似たパターンで繰り返す慢性頭痛。慢性頭痛は大きく以下の3つに分類できます。■緊張型頭痛
毎日感じる肩こりや頭痛も慢性頭痛の一つ
いわゆる「よくある頭痛」。日常的に痛みを感じ続ける慢性頭痛で、患者数も多く、日本では数千万人いると推定されています。心身のストレスと関係が深く、同時に肩こりを訴える人が多いのも特徴。
■偏頭痛(片頭痛)
痛みを感じるのは月に1~2回という場合が多い頭痛。女性の場合、緊張型頭痛と偏頭痛の両方を持つ混合型が多いとされています。
■群発頭痛
以前は偏頭痛の仲間に分類されていましたが、偏頭痛より頭痛の回数が多く症状が重いのが特徴。患者数は数万人程度。
同じ慢性頭痛でも、頻度や深刻度はさまざま。以下、それぞれの特徴や症状の違いについて解説します。
緊張型頭痛に特徴的な症状
緊張型頭痛の頭痛の症状は以下の通り。- 同時に肩こりを感じる
- 頭を締め付けられている感じの痛みである
- 頭が重い感じがする
- めまいを感じることもがある
- ストレスが増すと強くなる
- 休息すると軽くなる
- 仕事や日常生活に大きな支障はない
- 市販薬で改善する傾向がある
同時に肩こりを訴える人が多いのも特徴の一つで、目の疲労や全身倦怠感(疲れ)を訴えることもあります。まれにめまいを伴いますが、めまいの原因が緊張型頭痛であることも。
偏頭痛(片頭痛)に特徴的な症状
偏頭痛には特徴的な症状があるため、問診だけでも診断可能と考えられています。しかし実際は、緊張型頭痛と偏頭痛の両方の症状を持ついわゆる「混合型頭痛」の人もいるため、症状だけで断定するのが困難な場合も。典型的な偏頭痛の症状は以下の通りです。- 女性に多い
- 親も頭痛持ちなど、遺伝性がある
- 最初の症状自覚は若い年齢時が多い(女性の場合は月経がある期間)
- 頭痛の発作には間隔がある
- 月経前や月経中の女性の頭痛は、偏頭痛の可能性が高い
- 体調面での前兆(頭痛が起こる数日前に、あくび、空腹感が強くなる等)を伴うことがある
- 精神面での前兆(頭痛が起こる数日前に軽いうつ状態やイライラ感、怒りっぽくなる等)を伴うことがある
- 予兆(頭痛直前の体調変化)がある場合がある
- 予兆としては視野の異常や視覚の異常(例:閃輝暗点[せんきあんてん]目の中で光が見える)
- 頭の片側の痛みが多い(まれに両側性もある)
- 痛みの持続は数時間から数日間
- 痛みはズキンズキンとした拍動性のあることが多い
- 吐き気を伴うことがある
- 肩こりがあっても混合型や偏頭痛の可能性がある
- 生活習慣と関係する(例:飲酒が発作のきっかけとなる)
- 仕事や日常生活に支障がある場合ある(例:寝込むことがある)