ギランバレー症候群の症状

手足の動きが悪くなるギランバレー症候群。数ある神経の病気の中で、治癒が可能な病気なので早めの医療機関の受診が大事です。

手足の動きが悪くなるギランバレー症候群。数ある神経の病気の中で、治癒が可能な病気なので早めの医療機関の受診が大切

ギランバレー症候群は神経の中でも主に運動神経を障害する病気。運動障害に加え、感覚神経を障害することもあります。主な症状は次の通り。
  • 手足に力が入らず歩けなくなる
  • 胸を大きく動かせず呼吸できなくなる
  • 手足のしびれ感や感覚が鈍くなることがある
最初は風邪程度の症状で、単なる風邪だと紛らわしいことがあります。徐々に手足に力が入らなくなり、それから医療機関を受診される方が多いです。

両足の症状から出現することが多く、徐々に体から手の方へ症状が進行します。なかには呼吸ができなくなったり、飲み込みがしにくくなったり、便意をもよおしにくくなることもあります。ギランバレー症候群はは徐々に進行し、集中治療室(ICU)にて人工呼吸器が必要になることもありますが、病状の山場を過ぎれば回復に向かうことが多いので、神経内科を標榜している専門医療機関にて治療を行うことが重要です。

ギランバレー症候群の原因

女性よりも男性になりやすいといわれていますが、小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症します。稀な病気で、年間10万人当たり1~2人発病します。

はっきりとした原因はわかっていませんが、体を守るはずの免疫システムが、何らかの拍子で本来守るべきである体の神経細胞にダメージを与えることにより発症するというのが有力な説です。

ギランバレー症候群の検査・診断

ギランバレー症候群は、多彩な症状を伴うので診断が難しい病気の一つ。以下のような特徴的な症状が出た場合は、まずこの病気を疑うことになります。
  • 徐々に手足に力が入らなくなる
  • 膝頭をたたいたときに足が勝手に動かなくなる(深部反射の消失)
加えて、下記のような特徴的な症状がないかも併せて診て行きます。
  • 筋力の低下は急速に進むが、約90%以上の症例で4週間たてば回復に向かう
  • 比較的、左右ともに症状が出現する
  • 動かしにくいだけではなく、痺れ感をともなう
  • 手足の動きだけではなく、顔の動きや目の動きや舌の動きも悪くなることがある
  • 多くの神経の病気は一度悪くなると神経の機能が回復しないが、この病気は時間をかければ回復することが多い
  • 不整脈や血圧の変動を伴うこともある
  • この病気だけでは発熱しない
MRIやCT検査だけではこの病気を診断することはできません。しかし神経を保護している髄液を検査したり、神経の伝わる速度を測定すると、診断の目安にすることはできます。

■脳脊髄検査
頭蓋内にある髄液を腰から採取して検査します。その際には局所麻酔を行いますので痛みはあってもわずかです。健康保険が適用される検査です。

■電気生理学的検査
手の神経に細い針を刺して電気刺激を与えて神経から脳へ伝わるスピードを測定します。もし、神経の伝わるスピードが低下していれば、ギランバレー症候群を疑います。健康保険が適用される検査です。

シンナー中毒、鉛中毒、ボツリヌス中毒でも、ギランバレー症候群に似たような症状が出現するので、日曜大工での塗装、仕事で有機溶剤を使用している、井戸水を飲んだ、腐ったものを口にしてしまったなど、気になるエピソードがあれば医師に伝えましょう。

ギランバレー症候群の治療法と経過

残念ながら、現時点では決め手となる治療法はないのが現実です。しかし、おおむね1ヶ月を過ぎると症状は回復に向かい、6~12ヶ月くらいで約8割の患者さんが完治します。とはいっても、後遺症を残したり、亡くなってしまう場合も少なからずありますので、症状がピークとなる1ヶ月の全身状態の管理が極めて大事になってきます。

手足が動かなくなり寝たきり状態となるので、関節が固まらないようにリハビリテーションをしたり、呼吸が弱まっているならば人工呼吸器を使用して呼吸をしやすくします。また、不整脈や血圧の変動を伴ったり、肺炎や膀胱炎などの感染症を合併しやすいのでそれらに対する点滴治療や内服治療を適切に行う事が重要です。

また、血液中の有害物質を除去する血漿交換療法や免疫の力を強化する免疫グロブリン大量療法は、病状の進行を抑える働きがあるので、専門医療機関による適切な治療を早期に開始する事が重要といえます。

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