/薬の基礎知識

花粉症対策3 注意!薬の使い方について

花粉症の薬、使う前にどういう薬か理解していますか? 薬を人に譲ってもらうのはもってのほか! また、点鼻薬の使用量や、開封後の期限についても思わぬ落とし穴があるのです。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

花粉症の薬の注意

赤ちゃん薬
薬で疑問があったら近くの薬剤師に聞いてください!
Q:花粉症の薬ということで、友人から点鼻薬をもらいました。でも、あまり効かないので、1日に何度も使ってみました。すると少しは効くような気がします。
このまま使っていていいのでしょうか?

A:ちょっと待ってください。友人からもらった薬は、病院にいって処方せんがないと買えない薬ですね。
使用を中止して、医師にちゃんと相談してから使ってくださいね。

今回は友人のA子からの相談でしたので、なぜ一度相談すべきか詳しくお話しました。その内容をご紹介します。


ステロイドの点鼻薬について

A子が使っていたのは、1つだけでしたが、ステロイド(副腎皮質ホルモン)系の薬で、鼻の中に噴射する点鼻タイプのものでした。

■ステロイドの点鼻薬の効果
A子は「友人が、『鼻水が出ているときに使うといいよ』といって渡してくれた。でもあまり効かないから、沢山使っている」と言っていました。

商品名は伏せますが、A子の点鼻薬は、ステロイドが含まれていて、鼻の粘膜の炎症を抑える薬でした。ステロイド系の点鼻薬は、アレルギー反応で鼻の粘膜が炎症を起こした場合に、効果を発揮します。
そのため、アレルギー反応自体を抑える抗ヒスタミン薬とは、異なります。
アレルギー反応自体を抑えないので、鼻水が止まらないことがあります。

A子に薬を渡したA子の友人は、この点鼻薬以外にもアレルギー自体を抑える飲み薬を飲んでいるようでした。そのため、A子の友人は、アレルギー自体を抑えながら、アレルギー反応による炎症を抑えているため、この点鼻薬が良く効くと感じたのでしょう。

※人によって効果が異なります。医師に相談して自分に合う薬を!

■ステロイドの点鼻薬の注意点
他の薬ももちろんですが、1日の使用回数を守ってください。
鼻に噴射したときに、すっきりして鼻が通ることがあるので、点鼻薬の場合は何度も使用してしまう人がいます。

しかし、ステロイドを使いすぎると副作用の一つとして感染症を引き起こすことがあるのです。花粉症の人は、鼻をかんだり掻いたりすることが多いので、鼻の粘膜が傷ついていることがあります。稀ですが、ステロイドの点鼻薬の使いすぎで副鼻腔炎を起こす場合がありますので、使用量を守るようにしてください。

>>次のページでは、無視できない使用期限についてです。>>
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