昨年12月に、HMG製剤が市場からなくなって患者さんへの影響があるのではないかという記事を書いたところ、富士製薬工業(株)社よりコメントを頂きました。

HMG市場のシェアの大部分を占めていたセローノ社のフェルチノーム、オルガノン社のヒュメゴンがなくなっても、「当社の製品は販売し続けます」との連絡を頂きました。そこで今回は、富士製薬工業の本社にお伺いをして、その詳細を伺ってきました。


供給と安全性はいかに? 富士製薬工業インタビュー

PCO
HMG製剤は卵巣の卵胞発育を促進させる薬剤です。
池上)
ご連絡を頂いて驚いたのですが、いくつか疑問点というか懸念する部分があるので質問をさせて頂いてよろしいですか?

富士製薬)
はい、どうぞ。

池上)
今回のセローノ社のHMG製剤・FSH製剤とオルガノン社のHMG製剤は排卵誘発剤市場の大きなシェアを占めていたと思うのですが、その販売停止の影響をカバーして、御社が安定供給をすることは可能ですか?

富士製薬)
はい、両社の販売停止を受けて、当社では原末の確保と生産体制の強化を図り、現在2倍の生産量を確保しております。近日中に3倍まで増産して、医療現場のニーズに応えられる体制を確保しているところです。

池上)
それで両社のシェアをカバーできると思いますか?

富士製薬)
現在の売上げ状況を見て、今は先程の体制でカバーできると思っております。弊社だけではなく、あすか製薬さんや興和さんもHMGを販売継続されると聞いておりますので。

池上)
もう1つ、懸念されるのはクロイツフェルトヤコブ病(vCJD)など未知のウイルスやプリオンといった病原たんぱく質の混入です。そのような懸念に対して会社としてどのような対処をされているのかを教えて頂けますか?

富士製薬)
はい、弊社ではvCJD非発生国にて尿を採取しており、提供者についても海外渡航歴、健康状態等の調査・管理を実施しています。

そしてプリオンの不活化・除去に有効と文献にて報告されている、カオリン吸着とアルカリ条件での溶出、溶媒処理、イオン交換クロマト処理、及びナノフィルトレーション処理により精製を行っています。

また、平成15年に米国においてBSEに感染したウシが確認された際、設定された米国産ウシ等由来原材料を使用した製品のリスク分類(別添資料を参照)において、ウシを原材料とする成分抽出製剤を注射として投与した際の原材料中のプリオンが、製品まで至るリスクは0以下と評価されてます。

特に本製剤の場合は、生体ではなく尿が出発原料であるため、さらに危険性は低いと判断されます。

当社としてはできるべき事を行なって、治療に役立つ薬剤を今までと変わらずに市場に供給してまいりますのでそれをお伝えしたくて連絡をさせて頂きました。ということで富士製薬工業社では今後もHMG製剤を供給できるとのことでしたので皆様にご報告申し上げます。

関連サイト
富士製薬工業サイト(製品名:HMG富士、フォリルモン)

次のページでは安定供給の展望と、海外の動向についてご報告します。