鼻用スプレー |
例年の30倍というビックリする数字が発表されている2005年のスギ花粉の飛
散量ですが、みなさん、対策はもう万全でしょうか?
点眼薬や点鼻スプレーといった外用薬をひどい時にだけ使う軽いレベルの人から、複数の内服薬や外用薬を使用する症状が重い人まで、症状によって対策法は様々だと思います。
よくあるパターンとしては、ひとつの内服薬を期間中継続して使っていて、ひどい時だけ点眼薬や点鼻スプレーを使うパターンが多い印象です。ふだんは内服薬だけですんでいる人も、花粉の飛散が多かったり、体が疲れていて症状がひどくなった時には鼻や目の外用薬を使うこともあるかもしれません。
目薬に比べると使っている人も少ない、鼻に使うタイプの薬について、その種類と使い方について考えてみましょう。
点鼻スプレーに使われる
アレルギー薬の種類
- ヒスタミンに働くアレルギーの薬
- ステロイド成分の炎症を鎮める薬
- 鼻づまりなどを解消する薬
使い方と薬の種類の関係
■原則、続けて使う薬鼻づまりの薬をのぞく、ほとんどの点鼻用スプレーは、継続して使われることが多いようです、それでも症状に関係なくシーズン中ずっと続けるパターン、ひどい時だけしばらく続けるパターンなど、使い方はさまざまですが、続けて使うのがよくある使い方です。
内服薬では花粉症のレベルで使い続けることの少ないステロイド薬も、外用薬の場合にはそうとは限りません。鼻の粘膜に限定して、体全体に影響しないので続けて使うように処方されることはよくあります。またステロイド成分の細胞に働く薬理作用から考えても時間をかけて続けて使う方がいいともいえます。
ヒスタミンなどに働くアレルギー薬には、ヒスタミンがでてこないようにする薬や受容体をブロックするものがありますが、これらの製品も続けて使っていくことが多いです。
■鼻づまりの時だけ使う薬
鼻腔内にある毛細血管の血管平滑筋 α-アドレナリン受容体に働く事で血管収縮を起こし、鼻づまり感を解消する薬の場合にはその時だけの使用が一般的です。この薬の特徴は、使うとほとんどの方がすぐに効果を感じる事ができることで、たくさん使うと効きすぎてしまうこともあるほどです。
もしもこれらの薬を頻繁に、そして慢性的に使わなくてはならない時には医師と相談する必要があるかもしれません。内服薬などの別のアプローチについて診断してもらって、もしかしたら鼻づまりのスプレーを使わなくてもよい方法が見つかるかもしれないからです。
よくある
注意しないといけない事
点鼻スプレーは、製品によって使うことができる回数はまちまちで、ガイドの身近にある製品でも1本で28回から120回までの回数の幅があります。具体的に考えてみると、1日2回の指示だった場合、左右に2回ということは、1日に4回スプレーすることになります。という事は120回使える製品でも30日分です。28回の製品だとナント!1週間でなくなってしまいます。使える回数を超えると、きめられた量が噴霧されずに薬としての働きを失ってしまいます。「まだ出るから大丈夫」といって大事に使うのはやめておいてください。もうひとつ注意する事は、衛生的に扱うということです。鼻腔内は微生物の巣窟といっても言いすぎではありません。そんな鼻腔内にさしこんだノズルはしっかりと拭いておきましょう。また、プッシュした部分を戻す時には当然きれいな空気が入るようにすることが大切ですね。
点鼻スプレーの使い方について
再確認してみる
使い方についてまとめてみると、ステロイド薬やアレルギー薬は継続的に、血管収縮系の鼻づまりの薬は症状がひどい時に限定して使うのが一般的です。でも、あなたの症状や医師の判断によっては、あなたにあった使い方があります。診察の時やお薬を渡される時に使い方の説明がなされていることと思いますが、聞き流してしまっているかもしれません。自分の場合にはどの使い方なのか、今度の受診の時にもう一度よく確認しておきましょう。点鼻スプレーは、種類はそれほど豊富ではありませんが、内服薬のように眠くなったりしませんし、妊娠や授乳にも影響がなくて安心です。最近では、診察の時に医師からどのようなタイプの薬を希望するかたずねられることもあります。花粉症でも鼻の症状にお困りの方でしたら体への作用も少ない点鼻スプレーも考えてみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】
・今年は治った?花粉症'03
・お薬のあんなことこんなこと