/痛み止め・鎮痛剤

バファリンは痛み止めなのに血液さらさら?(2ページ目)

特に痛みがあるわけではないのに、薬局でバファリンを受け取りました。なぜ?それは、血液が固まるのを防ぐためです。今回は、アスピリンの抗凝血作用についてご紹介します。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

アスピリンの作用

アスピリンは、痛みを感じる物質を作る過程に関係している酵素であるシクロオキシゲナーゼに対して、この酵素の働きを阻害することで、解熱鎮痛の作用をもたらします(シクロオキシゲナーゼ阻害によるプロスタグランジンの産生抑制)。

実は、この痛みに関係する酵素のシクロオキシゲナーゼは、血液が固まるときにも関係する酵素なのです。そのため、アスピリンを服用することでシクロオキシゲナーゼを阻害し、血液が固まるのを防ぐ効果があります。

この効果は、アスピリンが少量の場合に期待できます(アスピリンジレンマといい、量が多いとアスピリンはクロオキシゲナーゼを阻害することでプロスタサイクリンという血栓を作らないようにする物質も阻害して、血液が固まる作用も示してしまうため)。

なお、バファリン81mg錠を含め、アスピリンが含有されている薬を飲み続けている時には、血が止まりにくくなるなど出血傾向がみられます。
そのため、他の病気で病院にかかるときや、薬局で他の薬を飲む際には必ず伝えてくださいね。特に手術の際には絶対に伝えてください。


また、市販で売っているバファリンとは内容が異なりますので、バファリン81mgがなくなったからといって、市販薬で代用しないでくださいね。

今回の質問者の方のように、分からないことがありましたらそのままにせず、薬を受け取る際に薬剤師に聞いてみてください。

薬の効果には一部心理的なものもありますので、安心して、正しく服用することが大切です!

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局などでの会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。

【参考書籍】メルクマニュアル
【参考リンク先】
アスピリン>お薬110番
プレスリリース>ブリストルマイヤーズ社
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます