薬物療法中に留意すべき事は?
うつ病では治療の有無に関わらず、自殺のリスクを心に留める必要があります
気分の落込みが特徴的なうつ病。1~2割前後の人が一生に一度はうつ病になってしまうように、誰でもなる可能性がある病気ですが、最近の薬物療法の進歩により、比較的容易に治るようになりました。

しかし、個人差があるのですが、抗うつ薬には副作用として好ましくない作用が現れる事があります。SSRIというグループに属する抗うつ薬のパキシルに対しては、アメリカのFDA(食品医薬品局)から、若年層で自殺のリスクが上がる可能性があると警告されています。

今回は、抗うつ薬の働きのしくみと副作用と共に、抗うつ薬の治療中に自殺のリスクが増加するというショッキングな警告の背景を考察したいと思います。


抗うつ薬の働きのしくみ

心の病気の発症には脳内の神経伝達物質が大きく関与しています。うつ病では、神経伝達物質の一つであるセロトニンの働きに問題が生じています。セロトニンの働きが自然に元に戻る事は困難なので、抗うつ薬によって、セロトニンの働きを調節する事が必要になります。

抗うつ薬は脳内のセロトニンの働きを主に調節するように開発されているのですが、脳内のセロトニン系のみに薬の作用を限定させる事は困難で、自律神経も含めて他の神経系にも作用が多少あり、以下のような症状が副作用として見られる事があります。

  • 口の渇き
  • 便秘
  • 不眠
  • 頭痛
  • 発汗
  • 胃部不快感
  • 嘔吐
  • 鎮静
  • イライラや不安感の増大
  • 性機能不全


  • 抗うつ薬は新しい世代になればなる程、脳内のセロトニン系などに選択的に働き、全身への好ましくない副作用が軽減されています。現在、主流となっている抗うつ薬はSSRIと呼ばれるグループに属しています。

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