なるほど! 簡単! PET検診の原理
PET検診の原理は、ちょっと考えてみると案外簡単なものです |
そして、がん細胞が使う栄養素の代表が、ブドウ糖です。他の細胞を押しのけて、早いスピードで増えていくがん細胞は、このブドウ糖をたくさん消費します。
PET検診では、まず、ブドウ糖に放射性同位元素と呼ばれる特殊なラベルをつけたものを血管内に注射します。このブドウ糖も、がん細胞にたくさん取り込まれていくはずです。注射後に、ブドウ糖につけられた放射性同位元素が出す微量の放射線を検出する機械の中でしばらく横たわれば、それで検査は完了です。
もし、ブドウ糖が異常にたくさん集まっているところがあれば、そこにがん細胞が存在している可能性が高いと考えられます。これが、PET検診の原理です。
がんの早期発見にPET検診を生かす
PET検査の原理が分かると、がんの早期発見での生かし方が理解しやすくなります |
PET検診で異常が分かった部位については、従来通りの胃カメラやCT、MRIや超音波検査などで詳しく調べていくことが必要です。つまり、従来の検査が不要になるのではなく、全身のスクリーニング検査をPET検診でした上で、もし、異常が見つかれば、そこを従来の検査法を駆使して詳しく調べてみるということです。また、新しい検査法ですので、まだまだ改善の余地もあり、現在も色々な工夫が重ねられて、発展する余地のある検査法といえます。
しかし、「注射をして、横になっていれば、それだけで全身のがんの有無について調べることができる」というメリットは、従来の検査法に無かったものです。最近は、PET検診を受けられる施設も増えてきましたし、値段も、まだまだ安いとは言えませんが、少しこなれてきた感じもあります。
新年度や誕生日など、切りの良いときに、一度、受けてみるのもよいかも知れませんね。
【関連リンク】
PET検診の理解に必要ながん細胞の性質を解説。
⇒良性腫瘍と悪性腫瘍の違いって?(All About がん・がん予防)