年収数千万円で医師を募集する病院も……
医療現場での医師不足は深刻得、年収数千万円で募集するケースも出てきています。 |
産婦人科医や麻酔科医などは、とくに確保が難しいようで、場合によっては、数千万円を提示しているケースもあるようです。
一般論として、給与が高くなるのは需要に対して供給が追いつかないということが理由として考えられます。広くは医師不足ということになるのでしょうが、医師の総数が足りないのか、医師の総数は足りているけれども、医師の偏在によって、現場では足りなくなっているのかということについては、色々と議論があり、まだ、確定した見解はないようです。
ただ、私自身が実感として感じるのは、若手の医師が、いわゆる外科系の科を選ばなくなっているということです。
医療は「社会の共通資本」である
厳しい職務内容のみならず、訴訟のリスクなどの観点から外科系の診療科を敬遠する若手医師が多くなっているようですが、これは、社会全体から考えると大きな問題です。 |
経済学者の宇沢弘文さんは、医療は「社会の共通資本」であり、医療を受ける側も提供する側も一体となってメインテナンスすることが、その価値を維持し、高めていくためには重要だと言われています。
今回のがんセンターでのニュースは、医療崩壊という言葉が、少しずつ現実味を帯び始めていることを示しているのではないかと思います。10年後、20年後の日本の医療のあり方をよりよいものにするために、何をすべきか、医師と患者さんが一緒なって考えていく時期が来ていると思います。
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