癌(がん)/がん治療の病院・名医の探し方

国立がんセンターの手術数が20%減?!

国立がんセンターで麻酔科医の半数が相次いで退職し手術症例数20%制限されると報道されました。その他にも医師不足で診療制限を迫られている病院は増えています。医療崩壊が現実になってきたのでしょうか?

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

国立がんセンターで手術数が制限!?

国立がんセンターで手術数が制限!?
日本のがん治療をリードする国立がんセンター。しかし、予想外の理由で手術数が20%制限されることになるようです。
日本のがん治療をリードする国立がんセンター。東京・築地にそびえる病院は、まさに、日本という国が、がんにどのように立ち向かっていくのか、という気迫すら感じさせる堂々としたたたずまいです。

しかし、先日、この病院での手術数を、従来の1日あたり約20例から、約15例に制限することになったということが報道されていました。その理由は、10名いた常勤の麻酔科医が5名、相次いで退職したというものでした。

もちろん、麻酔科医がいないと、手術を行うことはできませんので、補充の麻酔科医が確保できない以上、致し方ない対応策だと思います。

今回は、私達の身近で起こり始めた医療崩壊のきざしについてお話したいと思います。

30代中堅医師で年収700-800万円は高い?安い?

30代中堅医師で年収700-800万円
麻酔科医師退職の理由は、「待遇のよい公立・民間病院への転職」だったようです。
なぜ、半数の麻酔科医が相次いで退職することになったのか。新聞やテレビなどの報道を見ると、その理由は「待遇の悪さ」だということです。

また、今回のニュースでは、国立がんセンターでの30代の中堅医師の年収が、700ー800万円程度ということも報道されていました。この値段を高いとみるかどうかは、もちろん議論があるでしょうが、一般的な勤務医の平均年収が1200ー1500万円ということを考えると、やはり、低いと考えるべきだと思います。

しかも、その勤務態勢は文字通り激務であり、早朝から深夜まで、土日も祝日もなく働いているのは、がんセンターだけでなく地域の高度先進医療を行う病院では日常的な光景ですので、待遇は非常に厳しいと言えると思います。


次のページでは、麻酔科医だけではない、医療機関での医師不足について少し詳しく説明します。
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