全国がん(成人病)センター協議会
全国のがんセンターや成人病センター30施設からなる全国がんセンター協議会(全がん協)が、その加盟施設の治療成績を公開しました |
各都道府県の基幹病院の一つは、国公立のがんセンターや成人病センターになりますが、全がん協には、30施設が加盟しています。昭和48年の設立以後、がんの治療成績向上のために、様々な取り組みをしていますが、今回の調査は、厚生労働省がん研究助成金「地域がん専門診療施設のソフト面の整備拡充に関する研究」班(主任研究者:群馬県立がんセンター猿木信裕氏)によるものです。
なにやら難しい漢字が並びましたが、要するに、厚生労働省の研究班が、一定の基準でそれぞれに病院における治療成績をまとめ、それらを一般に公表したということです。
下記のリンク先を示していますが、このデータは、これからの病院選びの新たな基準を作り出す、画期的なものだと思います。
これからの病院選びの新基準とは?
今回の発表データの意義は、これからの病院選びの新基準を作るきっかけとなるということです。 |
今回のデータは、数百例規模のものであり、それだけで病院の優劣が決まるものではありません。また、その時に治療を受けた患者さんの疾病的な背景や、治療を行った医療チームの状況などは、施設や時期によっても異なるために、単純な比較ができるものではありません。
全がん協のサイトでも注意されていますが、これらのデータを鵜呑みにして、安易な病院選びをすることは、おすすめできませんので、今一度、ご注意下さい。
私は、今回の報告の意義は、もう一段深いところにあると考えています。今までも、医療における情報公開の流れの中で積極的に治療成績を公開されている病院やドクターはいらっしゃいました。しかし、今回は、地域の基幹病院が一定の基準に則って、がんの治療成績を明らかにしました。このことは、他の多くの病院へ、ゆっくりかもしれませんが、確実に影響を及ぼしていくと考えられます。
各病院が、一定の基準でがんの治療成績を公表する。それは、治療方法の標準化と全体的なレベルアップにもつながっていくと思います。また、これらのデータをきっちり判断するためには、患者さんやそのご家族だけでは限界があり、やはり、日頃からよく自分のことを知ってくれているかかりつけ医の存在が不可欠です。
ブランドや種々のマスコミ報道だけを基準に病院を選ぶのではなく、専門家のアドバイスの下、データに基づいて適切な病院を選ぶ時代の到来を予感させるのが、今回の全がん協の協同調査の結果だと思います。
【関連リンク】
今回ご紹介した、全がん協の調査結果はこちら
⇒全がん協加盟施設の生存率協同調査(全国がん(成人病)センター協議会)
がんで手術ができないと言われてしまったら……
⇒がんで手術ができないって、どういう状態?(All About がん・がん予防)
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