どうして風邪は治るの?
微熱なら冷やさない方がよいことも……? |
実は風邪を治すのは、非常によくできた、免疫システムという体の防御反応が働いています。
そもそも、ウイルスに対する体の防御反応と細菌(ばい菌)に対する体の防御反応はちょっとシステムが違います。細菌は一人で増えることができるので、私たちの細胞の外で勝手に増殖して悪さをします。ですからお薬(抗生物質)がよく効くのです。
ところが、ウイルスは一人で増えることができないので、まず、私たちの細胞に入り込んで、そこで増えて悪さをします。いわば、敵が、そうとわからないように味方のなかにはいっているようなものです。しかし、人間の免疫システムはよくできているので、ウイルスに感染した細胞を殺したり、ウイルス自体も殺すシステムがあるのです。体からウイルスを排除する期間が5日から1週間、つまり風邪が治るまでの期間はそのくらいということです。
抗生物質はウイルスそのものには全く効かず、風邪ウイルスとの戦いで傷ついた場所に細菌が入って、さらに炎症が広がることを防いだりするために使われます。そして、風邪薬は、鼻水がひどければ鼻水を止める、咳がつらければ咳を止める役割でしかないのです。元気なら「風邪薬無しでも風邪が治る」のですね。
咳やくしゃみもカラダを守る仕組み!!
くしゃみ、鼻水はうっとおしいですよね。でも、これは鼻粘膜にくっついたウイルスを外に流しだす仕組みなのです。さらに、咳や痰はのどの粘膜についたウイルスを吐き出すためのもの。そして、発熱は、高熱にしてウイルスを死滅させようというからだの反応の一環です。「無理に熱を下げないほうがよい」といわれるのも理にかなっているのですね。ただ、あまりに高温になりすぎると正常な人のたんぱくにも影響があるので、頭を冷やすなどの対処が必要なのです。
================
たかが風邪、されど風邪。私たちの体の中には様々な仕組みが備わっているのですね。