果物
夏の果物で脱水予防!
バルセロナの友人から「いつ雨が降ったのか忘れる程、乾いていて暑い!」とメールが入りました。梅雨が明ければ日本も猛暑です。年々、暑さに弱くなったとお嘆きの友よ、糖尿病が影響してるかも……

ロマ・リンダ大学(Loma Linda U. カリフォルニア州)のチーム*1が面白い実験をしました。
1型糖尿病のある人を4人、2型を4人、そして対照グループとして健常者5人を42℃の部屋に入れて、30分間静かに座っていてもらいました。
驚いたことに、糖尿病のある人達は健常者に比べて、体内温度も皮膚温度も1℃以上高くなっていたのです。糖尿病者は暑さに弱いのです。なぜでしょうか?


糖尿病者は汗をかきにくいのです

糖尿病のある人の発汗異常は昔からよく知られていました。汗がたくさん出るところと、ほとんど出ないところに分かれることもあります。甚だしいときは汗が体の「右側か左側」に片寄ることもあるのです。
これは皮膚の細小血管の血行障害と自律神経(交感神経)のトラブルだと考えられています。
糖尿病の3大合併症のひとつに神経障害がありますね。その症状の一部です。
この発汗異常は程度の差こそあれとても早く現われるもので、他の合併症が顕著でない1型の子供にも見られるものです。
今回のロマ・リンダ大学の実験でも1型と2型の発汗の差はありませんでした。
被験者である1型の平均年齢56歳、糖尿病歴25年。2型の平均年齢61歳、糖尿病歴わずか5年でもです。

この2つの糖尿病者グループは明らかに健常者に比べると全身の発汗量が少なかったのです。暑いけど汗が少ないとなれば……皮膚はラジエーター(放熱器)ですから、ラジエーターの水が足りないのですからエンジンの温度は上がってしまいます。
今年も熱波のフランスでは、2003年ほどではないけど死者の報告が出始めています。
気温36℃ぐらいでどうして死ぬのだろうと思いますが、高齢で喉の乾きが自覚できないと汗で体を冷やせないので体温がどんどん上がってしまうのですね。
フランスのTVによると、体温40.5℃で酵素作用がストップするそうです。脳も心臓もストップです。


糖尿病者は特に水分の補給が大切です

高血糖の時はよくトイレに行きますね。尿の量も多く、たびたびです。体を守るために血液中の過剰なブドウ糖1分子に対し、水2分子が必要です。だから多尿になります。
ただでさえ暑くて汗をかいているのに、尿からも大量の水を失います。
仕事が忙しいとか、手元に飲み水がないとか、喉が乾いていないとか言っていてはいけませんよ。
脱水は尿を減らしますから、どんどん血糖値を高めてしまいます。

私の友人で血糖値850mg/dlで倒れたことを自慢するヤツがいますが、就寝中の頻繁なトイレがいやで水を制限したからなんです。昔のように脱水で昏睡に陥ることはあまり多くありませんが、死亡率が~15%と高いのが特徴です。
これを医学用語では「高血糖性高浸透圧昏睡」といいます。脱水のため血液がドロドロになって、浸透圧の作用で脳神経細胞の水分を奪い取ってしまうからです。これは1型でも2型でも起ります。
1型特有の「ケトアシドーシス昏睡」はインスリン不足が誘因ですが、脱水が加わって意識障害になります。この場合はインスリンと水分の補給が大切。

上記のように糖尿病者はただでさえ脱水しやすいのに、激しい運動をすればより水分が不足します。熟年ゴルファー、アスリート、元気な子供たち、糖尿病があっても皆さん夏は楽しみですね。

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