喉が渇いたらソフトドリンク…『果糖』の撮りすぎに注意
ソフトドリンクなどから果糖を摂りすぎると…『高脂肪食』を続けているような状態に |
この3ヵ月間に『水』を飲んだことがない子供(小学生)がクラスの半分もいたらどうでしょうか?
この事実はイギリスの調査で分かったことですが、水道の水を飲まない子供たちは日本でも大いにあり得ることです。
冷蔵庫に入っているソフトドリンクの成分表を見てください。『異性化液糖』あるいは『果糖、ブドウ糖液』と書いてありませんか?これがどういう甘味料であるか"あやふやな"読者はアルファ=グルコシダーゼ阻害剤と低血糖と果糖
をご覧ください。
『異性化液糖』のことを英語ではcorn syrup(コーン シロップ)と言います。これはトウモロコシのデンプンを酵素を使って構成単位糖のブドウ糖(グルコース)に変え、更にブドウ糖を別の酵素で果糖(フルクトース)に変えるという手続きで作ったシロップだからです。通常、ブドウ糖と果糖が約半分づつの、『砂糖』と同じような甘味の、しかも安価な甘味料になります。これは日本生れの技術です。
果糖はブドウ糖の1.5倍の甘味
果糖はブドウ糖と同カロリーなのに、甘味が1.5倍も強いので使用量が少なくて済む利点があります。また、からだへの吸収も遅く、血糖値も僅かしか上げないので欧米では糖尿病者用の甘味料として薦められたこともあります。ソフトドリンクからの『果糖』摂取は高脂肪食を続けている状態!
しかし、果物の摂取くらいは全く問題ないのですが、砂糖(これはブドウ糖と果糖が結合したもの)やソフトドリンクの異性化液糖で果糖をたくさん取ると、からだの中ではまるで『高脂肪食』を続けているような状態になってしまうのです。肝臓における果糖の代謝にバイパス回路があるので果糖はどんどん分解されて、その不必要なエネルギーは結果として中性脂肪やコレステロールの合成に回されてしまうからです。
肥満、糖尿病増加の相関に精製糖質の急増と食物ファイバーの摂取不足が!
ソフトドリンクなどからの『果糖』は肥満や2型糖尿病の真犯人? |
ひとつはアメリカ人の20世紀(100年)の食生活変化を調べた疫学調査です。
これによると1935年から1996年までにアメリカの糖尿病者は765%も増加しましたが、摂取エネルギー量はそれ程増えたわけではありません。
統計学としてみると、肥満、糖尿病の増加に相関するのはコーンシロップのような精製糖質の急増と全粒食の減少による『食物ファイバー』の摂取不足でした。タンパク質と脂肪の摂取は肥満・糖尿病と関連がなかったのです。[Am J Clin Nutr. 2004;79;774-779]
もうひとつは12人の標準体重の女性にブドウ糖入りのソフトドリンクと果糖入りのものを1日ずつ飲ませた研究です。
『果糖』の摂取は血中のインスリンとレプチンの濃度を低下させ、それが摂食行動に結びつき、更に中性脂肪もなかなか下がらないことが実証されました。肥満と動脈硬化への道です。
[Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 6月4日号 2004]
前にも書きましたが、低血糖のリカバリーに『果糖』やソフトドリンクの『異性化液糖』を使ってはいけません。
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