A1CからAG(平均血糖値)に変わるかも知れません。血糖測定器のアベレージ(A)が有効です。 |
自分で微量の採血をして血糖値を調べると、その瞬間の値がわかります。これで危険な低血糖や高血糖を知ることが出来ます。
これに対し、寿命120日の赤血球のタンパク質、"ヘモグロビン"にくっついたブドウ糖の割合で過去2~3ヵ月の平均血糖値を知ることも出来ます。ヘモグロビンの特定の場所(A1c)に結合したブドウ糖の割合を示すので、グリコ(糖化)ヘモグロビンA1cとか、ヘモグロビンA1c(HbA1c)あるいは単にA1C(エー・ワン・シー)と言うのでしたね。
このA1Cは糖尿病合併症リスクを知る上で大切な指標になります。医師がA1C 6.5%以下にしろと注文をつけるのは、なるべく合併症のリスクから遠ざかるためです。
実は基準がバラバラだった?! A1Cテストの数値
1980年代から実際にA1Cテストが行われるようになりましたが、当初は検査分析をする施設間のバラつきが大きいという問題がありました。なにしろA1Cの分析方法は各社各様で、今では30通りはあろうと言われていますから、同じサンプルでも違う値になることは十分考えられることです。多くの人の努力でこの施設間の相違は許容できる範囲になりましたが、もう一つ大きな問題が残っていました。
実は世界には3通りのHbA1cの基準があったのです。日本とスエーデンが独自の基準を持ち、アメリカとヨーロッパがNGSPというシステムを構築していました。だからアメリカの1型糖尿病のコントロールと合併症のトライアル(DCCT)と、イギリスの2型糖尿病の大規模研究(UKPDS)が同じA1Cの数値で比較検討できるのです。
残念ながら日本とスエーデンの基準は少し違う値になります。日本のA1Cはアメリカのものと比べて0.3%低く表示されるのです。アメリカでA1Cの目標を7%未満にしようというのは、日本では6.7%未満にしようという意味なのです。医学上も治療にとっても、世界がトリプル・スタンダードでは困りますね。
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