民間の調査会社ディシジョン・リソーシズ社(アメリカ)が最新の2型糖尿病の治療の傾向と、先進7カ国における今後10年の市場予測を発表しました。

リサーチが行われたのはアメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本の7カ国です。調査によると国によって治療法は大きく異なりますが、血糖値をより正常に近づけることを治療の大切な目的にしているのは同じだといいます。

20年にわたる年月と、5,000人の2型糖尿病のボランティア(被験者)、23ヶ所の病院の協力によるイギリスの2型糖尿病研究(UKPDS)があります。治療史に残る金字塔です。これによって明らかになったのは、2型糖尿病も血糖値をより正常に近づけることによって、細動脈の合併症(腎症など)や大動脈の合併症(心臓病など)から遠ざかることです。

多くの医師がこのUKPDSで高い評価を得たビグアニド剤(クラス名Biguanides。一般名としてはメトホルミン。商品名はグルコファージ、メルビン、グリコランなど)に処方がシフトしていると考えています。

次いでインスリン抵抗性改善薬(クラス名Thiazolidinediones ザイアゾリディーンダイオーン。武田薬品のアクトス商品名Actosなど)や、スミスクライン ビーチャムズ社のアバンディア(商品名Avandia)などが第一線に並んでいます。わずか5年前(1995年)まではインスリン分泌を強めるスルフォニル尿素剤がほとんどだったのですから、すっかり様変わりです。

今、1番ホットな話題は2型糖尿病症の初期の治療方法についての議論です。

糖尿病というのは基本的にインスリンが不足しているか、あるいはインスリンが有効に働いていないかの病気です。2型糖尿病の診断と治療法を決める時に、この両方があるのかないのか、あるいはその程度を見極めるのが現在でも難しいのです。そこに関心が集っています。

経口薬には血糖を下げる機序によるクラス名(5クラスある)と、成分による一般名、同じ成分の薬でも製薬会社によって異なる商品名(ブランド)がありますから注意してください。

さて、7カ国の経口薬の市場は1998年には約5,000億円の規模でした。今後5年間は毎年10%以上の高成長が続き、2003年にはこの7カ国だけでも8,000億円以上の市場になると予測されています。

10%以上の需要の伸びが見込まれている薬は以下の3つのクラスです。

1. ビグアニド剤(メトホルミン。日本での商品名はメルビン、グルコランなど)
2. インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン=武田のアクトスなど)
3. メグリチニド(速効性のインスリン分泌作用のある飲み薬。日本では未発売)

 注射の痛みのない吸入式のインスリンが実用化されれば大きな市場ができることは疑いのないところです。各製薬会社と研究所が初期臨床試験をクリアしてますから時間の問題です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項