先日も日本大学医学部の内山真教授(精神神経医学)が不眠の問題で生じている日本の経済損失は年間約3兆4700億円と試算しているニュースが出ていましたが、睡眠不足による集中力の低下や仕事の遅刻・欠勤は社会問題になっています。
経済損失、年3兆5000億円 日大教授が試算(毎日新聞ニュース)
しかし、上記の中にはもっと我々にとって重要な「睡眠障害による妊娠への影響」という内容は入っておりません。そこで今回、オールアバウトではそれらについて書いていきたいと思います。
眠れない時ってほんとつらいですよね |
睡眠の基礎知識
まずは睡眠の基礎知識を説明していきたいと思います。睡眠には2つのタイプがあるというのを知っている方も多いと思います。ひとつはノンレム睡眠、もうひとつはレム睡眠です。
レム(REM)という意味は(Rapid eye movement)の頭文字を取ってレムと言われています。レム睡眠は「からだの睡眠」と呼ばれています。このレム睡眠の時には人間の目を観察すると細かく左右に動いています。実際、見てみると気持ちが悪いくらいよく目が動いてます。男性の場合はレム睡眠の時に勃起します。それは勃起能力や射精能力を正常に発達させ,維持するのに重要であるとされています。
ノンレム睡眠を摂る事が快眠につながります。 |
そしてこれを利用したEDの検査があります。神経系や血管系あるいは勃起組織に器質性障害があると、レム睡眠での勃起はおこらないので、それを利用して器質性インポテンスと機能性インポテンスを鑑別することが出来るということです。
もう1つのノンレム睡眠はレム睡眠のような眼球運動がありません。ノンレム睡眠は脳波によって4段階に分けられていますが、総じてぐっすりと眠っている状態を示します。よって「脳の睡眠」とも言われます。
睡眠がどのように推移していくのかを示した図は下記の通りです。
睡眠の推移(睡眠科学の基礎より)
眠り始めてすぐに深い睡眠(ノンレム睡眠)に移行し、一度レム睡眠になり、また深く眠って、そして朝に向けて徐々に浅くなっていく様子がわかりますよね。そして妊娠に影響を持つホルモン分泌とノンレム睡眠とは関係性が深いことがわかっています。