不妊症/全国の不妊治療の病院・クリニック・治療院

亀田総合病院不妊治療センター訪問記(2ページ目)

今回は日本が誇るブランド病院「亀田総合病院」に不妊治療センターが出来たということで取材をさせて頂きました。

執筆者:池上 文尋

■チーム医療についてどのようにお考えですか?

当院の不妊センターのチームはドリームチームのような感じです。エンブリオロジストは臨床検査技師の資格を持つ4名。一人は優秀な経験者を単身赴任で新潟から来てもらいました。私はチェックをするだけで良いといっても過言ではありません。そしてナースは専任で3名いるのですが、臨床豊富な婦長経験者2名と手術室勤務経験者で外来だけでなく採卵時も安心していられます

このような良い人材が来てくれるのも病院がこの不妊センターの事業に対して正しく評価をしてくれているお陰です。患者さまが中心の医療を推進している亀田総合病院ならではの人員配置といえるでしょう。

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培養室の様子です。
■メンタルケアをどのようにされているのかを教えて下さい

設計の段階から患者さまがストレス少なく治療を受けられる設備に気をつけました。メンタルケアのための相談室は2つあります。メンタルケアは混んでなければナースが医師の診察の後に声をかけて、日常的にケアを行なっています。患者さまの顔色を見ながら適切なケアを行なうということです。

患者さまが希望された場合には臨床心理士による心理カウンセリングを行ないます。場合によっては心療内科受診もあります。

■不妊原因に何か傾向はありますか?

都内で診察していた患者さまと原因は大差がありませんが、これまで不妊治療を受けながら、近隣に専門医が少ないためか十分な説明や治療を受けていない患者さまが多く見られます。

■色々な不妊原因があると思いますが、それに対してどのようなアプローチをされていますか?

はい、先程の膠原病性の疾患の場合や肥満、高脂血症、甲状腺の機能異常など合併症のある患者さまは院内の内科などと共同して治療を進めます。同じ院内に各疾患のプロフェッショナルがいるのも亀田の強みですね。

私は不妊治療をしていますが、とにかく妊娠すればいいとは思っていません。まずは患者さまが健康な身体で幸せな生活を送ってもらうことが大事だと思っています。その上での不妊治療だと考えております。

また単に妊娠という結果だけでなく、母子ともに健やかに出産から育児までを終えることを目指しています。よってここでは今まで品胎(3つ子)はいません。多胎妊娠は後に問題が起きる事が多いからです。患者さまの産んでからの後までイメージをして治療を進めていくことにも気を配っております。

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採卵室です。最新の機器と広さに驚きました。
■治療スタイルはステップアップですか?

はい、その通りです。35歳まではステップアップ治療を考えます。アメリカのCDCの体外受精のデータを基に妊娠の効率を説明し、患者さまに考えてもらうようにしています。そして患者さまの希望を取り入れながら出来るだけ身体にも経済的にも負担のかからないような治療を考えております。もちろん、患者さまによっては経済的なことより効率を重視される方もおられますので、早めに体外受精をすることもあります。


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待合室です。ここも広くてエレガントな雰囲気です。
通常は初めの2周期で基本的な検査を終えて、自然周期のタイミング法、排卵誘発周期のタイミング法、人工受精などとステップアップします。他院の治療よりもステップダウンしている方での妊娠例も比較的多くありますので、やってみる価値はあると思います。

治療にあたって説明には力を入れています。妊娠の仕組みを初診時に説明することで、不妊症の検査と治療の意義を患者さまに理解していただきます。また、きちんとデータを渡して説明するようにしております。そのためにもクオリティが落ちないように我々自身の努力も必要になるということです。

それから亀田の場合は電子カルテなので診療科間や検査室や他の部屋とのデータ交換がスムーズに出来ます。患者さまの状態が把握しやすく、それによって余計な時間を取られない分、患者さまへの説明もじっくりと行なうことが出来ます。
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