不妊症/人工授精・体外受精・顕微授精

人工授精と体外受精はどこが違うの?

今回は人工授精と体外受精はどこが違うのかを簡単に説明させて頂きます。

執筆者:池上 文尋

不妊治療を行っている方は自分で色々と勉強をされているので、この違いはわかると思うのですが、まだ治療を考えられていない人や最近治療を始められた方には言葉の意味がわかりにくいということをよく聞きます。そこで、今回はその違いを簡単に説明させて頂きます。
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人工授精の様子の図です。精子を注射器とカテーテル(細い管)で子宮内に注入します。

人工授精とは?

人工授精とは採取した精液を、カテーテルという細い管を使って子宮に直接注入するもので、精子を卵子が受精しやすいところに入れる治療法です。


この治療法を選択される場合は下記のケースです。
1) 子宮頚管の中の粘液分泌が正常ではない場合
2) タイミング療法やHMG-HCG療法を行ってきてうまくいかない場合
3) 男性の精子が少ない場合(4000万程度まで)・無精子の場合(AID)
4) 性交障害(ED 勃起障害 女性器異常など)の場合

人工授精には2種類あります。
■ AIH(配偶者間人工授精 Artificial Insemination of Husband)
夫の精子を使って行う人工授精です。

■ AID(非配偶者間人工授精 Artificial Insemination of Donor)
夫が無精子症の場合、この治療法を選択することがあります。

最近の人工授精は精子を遠心分離で選別して、優良な精子だけを注入するやり方が一般的です。人工授精の妊娠率は施設によってばらつきがありますが、約10~20%程度です。

人工授精で妊娠する場合、4回までで妊娠する率は90%を超えるので一つの目安になると思います。通常、クリニックでは約6~8回程度行って、うまくいかない場合は次の段階である体外受精に進む場合が多いです。
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