前立腺肥大症に関する問診表(IPSS)
前立腺肥大症については、IPSS(前立腺肥大症の症状に関する国際的評価方法)という症状に関する問診表を用いてどの程度の排尿障害があるのかを参考にすることがあります。用意された7つの質問について、すべての点数を合計してみてください。なお、最後の質問(※)に関しては、最大点数を5点として夜間の回数がそのまま点数になります(例:0回……0点、3回……3点、6回……5点)。その他の選択肢は次の通りです。まったくなし……0点
5回に1回以下……1点
2回に1回以下……2点
2回に1回……3点
2回に1回以上……4点
ほとんどいつも……5点
- おしっこをした後、残尿感がありますか
- おしっこの後、2時間以内に再びおしっこをしたくなることがありますか
- おしっこの最中、おしっこの線が途絶えることがありますか
- おしっこを我慢できないことがありますか
- おしっこの線が細いことがありますか
- おしっこをするとき、いきみますか(チカラをいれないと出ませんか)
- 夜寝てから朝起きるまでに何回おしっこに起きますか(※)
おおまかな目安として、合計点数が8点以上だと排尿困難が存在すると考えられます。男性であれば前立腺肥大症そのものが原因であることが多いのですが、その影に隠れて前立腺がんが存在することもあります。近年では、前立腺がんの有無を簡単に検査するために、人間ドックのオプション項目としてPSAという腫瘍マーカー検査(血液検査)がよく行われるようになりましたが、正常範囲であっても前立腺がんが見つかることもあります。症状が強い場合には、まずは泌尿器科で前立腺エコー検査を行うことをお勧めします。
今回は男性の排尿障害の原因として代表格である前立腺肥大症についてご説明しました。男性ホルモンが関連する病気ですから、前立腺肥大症には活動的な男性がなりやすいとも言われています。この病気は睡眠障害の原因にもなりますので、活動性を保つためにも早期発見・早期治療を目指しましょう。次回1月20日の記事では、女性にも多い尿のトラブルの原因である、過活動膀胱と腹圧性失禁の対策をご説明します。