人には言えない!? 尿のトラブル 前立腺肥大(2ページ目)

前立腺肥大症とは？

睡眠不足の原因、実は排尿障害ということも

前立腺は男性だけに存在する臓器ですから、必然的に前立腺肥大症は男性だけの病気ということになります。前立腺肥大症では、慢性的に尿の通りが悪くなり、ひどい場合には膀胱を周囲から圧迫するために頻尿となります。排尿時にはあまり痛みがなく、夜中にもトイレのために何度も目を覚ますというのが典型的なパターンです（排尿時に痛みを伴う場合には膀胱や尿道の結石、あるいは炎症に伴うことがあります）。

男性では、加齢に伴いかなりの確率で前立腺肥大症になるとも考えられています。研究によって若干の違いはあるものの、50代では約３割、70代になると７～８割で前立腺肥大の所見が認められるとも言われます。

日常生活における前立腺肥大症の注意点

この病気は欧米の方がなりやすい傾向があることから、加齢現象によるだけではなく、脂肪分やたんぱく質の多い食事も原因ではないかと言われています。特にアルコールや刺激物（辛い食事）の過剰摂取は前立腺を充血させることから、尿の流出に悪影響を及ぼすことがあります。

また、夜中にトイレに起きることが生活の支障となるために、必要以上に水分を制限されている方がいらっしゃるかもしれません。水分の摂取量が少なすぎると、脱水による腎臓機能の低下に結びついたり、尿が濃くなりすぎて尿道結石の原因となってしまったりと、かえって病状が悪化してしまう恐れがあります。就寝直前に必要以上に水を飲むことは避けるべきかもしれませんが、適度な水分の摂取はかかせません。


排尿障害の程度に関しては、IPSSという問診表が用いられます。ご自身は尿のトラブルはないと思っている方も、ぜひ確認してみてください。