逆流性食道炎を放っておくと……?

食後のリラックスは……
食直後に横になってしまうと、逆流症状が強く出現することがあります。30分から1時間は横にならないようにしましょう
食道の表層にある粘膜は、何層も重なった「重層扁平上皮細胞」という細胞で守られています。この重層扁平上皮の表面の古い細胞は、新陳代謝によって次々と新しい細胞に置き換えられていくのですが、逆流性食道炎が存在すると「円柱上皮細胞」という、本来は胃粘膜に存在する細胞に変化することがあります。

食道の粘膜上皮が円柱上皮に置き換えられた状態をバレット(Barrett)上皮、全周性に見られるものをバレット食道と呼びます。バレット食道が存在すると、その部位から癌が発生する危険性が高まると言われていますので、逆流性食道炎ではいかにして炎症を抑えるかということで発癌の予防にもつながる可能性があります。

なお、食道から発生する癌は「扁平上皮癌」というタイプが多いのですが、バレット食道から発生する癌は「腺癌」というタイプが多いです。ちなみに胃癌の中で多いのはバレット食道と同じく「腺癌」です。


逆流性食道炎を改善する生活習慣

逆流性食道炎の治療は胃酸を強力に押さえるプロトンポンプ阻害剤(PPI)を用いることで、大半は症状を抑えることができます。また、腹腔鏡(ふっくうきょう)を用いて体に負担を少なくした外科的治療も有効なことがありますが、生活習慣を改善するだけでも症状を和らげることができます。そのための具体的な方法は次の通りです。
  • タバコを吸っている人は禁煙
  • ダイエット(肥満解消)
  • 脂っこい食事や香辛料(辛い食べ物)、肉食の節制
  • 食後すぐには横にならないこと
胃酸そのものの産生をできるだけ抑えること、下部食道括約筋の負担をとるために体重を減量することがポイントとなります。ダイエットは簡単にはできないかもしれませんが、まずは食後30分、横にならないことから始めてみてください。


胸の痛みと言うと心臓や肺が頭に浮かびますが、中にはこうした逆流性食道炎と気がつかないままに経過されている方も多くいらっしゃるようです。食事の前後で胸やけ、胸の辺りが何となくおかしい、といった症状がある方は、まずは生活習慣を見直してみませんか。ご飯を食べて満腹になったらすぐにゴロンという方、もしかして胃酸が逆流しているかも・・・?


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