血糖値と食事・睡眠の影響
血糖値に関与するホルモンは睡眠中にも分泌されています。普段どおりの生活が前提ですが、血糖値やコレステロール値は空腹時に測定することが基準です |
「前夜から10時間以上絶食し、朝食を摂る前に測定した血糖値」
と定義されています。つまり、朝8時から検査を受けるのであれば、さかのぼって午後10時以降は血糖値に影響を与える飲食物を摂取していないことが条件となるためです。勿論、普段の食事や睡眠時間が遅めの方は、それに合わせて検査を受ける時間を調節してください。
なお、飲水は血糖値には影響しませんので、朝起きて水を飲んでから受診することは差し支えありませんが、カロリーを含んだスポーツ飲料はもちろん控えておきましょう。ちなみに、ノンカロリーもしくはカロリーオフと表記された飲食物も、カロリーが完全にはゼロでないこと、ご存知でしたか?
それからもう1点、血糖値やインスリンは睡眠によっても変化します。極端な例ですが、前日から絶食しているからといって、徹夜で受診することも控えたほうが良さそうです。
病院で測ると高くなる血圧
「緊張のためか、病院では血圧が高くなるんです」という方も非常に多いです。俗に言う「白衣高血圧」ですが、実はこうした緊張によって血圧が高くなるという状況も、放置しておくと合併症に影響するのではないかと言われています。血圧は同じ日に測っても時間や身体活動によっても変動しますから、可能であれば1日3回、決まった時間に自宅でも計測することをお勧めします。特に大切なのは起床直後の血圧を測定することです。起床時の血圧が高い傾向があると、脳血管障害の危険性も高くなることが知られています。欧米に比べると日本では脳血管障害が多い傾向がありますから、突然死を招く心臓疾患もさることながら、後遺症を残してしまうことの多い脳疾患に対する予防も大切です。
ただし、血圧については、年齢や全身状態によって目標値をどのように設定するか、降圧剤をどう選択するか、治療に関する欧米でのデータをそのまま日本人に当てはめてよいのか、など様々な論議もあります。こうしたことについての研究は今後も必要ですが、健康を守るためには現時点での個人の意識改革も必要です。
まとめですが、健康診断を受ける前日は少なくとも10時間以上の絶食、普段どおりの睡眠をとった上で受けましょう。また、過度の運動や発熱があった場合などでは尿蛋白が陽性になることもありますから、普段はスポーツを行う人でも、腎臓疾患をスクリーニングするためには前日は安静にして過ごしたほうがいいかもしれません。自身で異常となる状態を作り出してしまわないよう、健康診断の前日にはこうしたことに注意してみてください。
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