■タワーマンション管理では巨大なマネーが動く

全国の超高層マンション計画(全国各都市で2003年以降に完成見込みのもの)では20階以上の高層マンションは449棟、のべ13万3040戸が今後供給される予定となっており(不動産経済研究所調べ)、高層マンションの大衆化がこれ以上進むとランドマークとしての存在価値が目減りし、タワーマンション人気にもかげりがでてくるような気がしてなりませんが、スケールが大きいだけに「マンション管理」にかかるコストもとてつもなく高額であることが分かりました。

■ガラス清掃業務費 月額107万3600円

都内で建設が進む超高層マンションの契約者の協力をもとに、当該物件のマンション管理にかかる費用明細(予定額)を入手することができました。世帯数が多いだけにその額には驚くばかりですが、タワーマンション特有の経費もあり、管理費として永久に負担し続けなければならないことを考えると、管理組合の会計処理にも苦労が耐えないことと心配が先走るばかりです。

上記「タワーマンション特有経費」とは、窓ガラスの清掃費です。高層マンションは安全上、FIX(固定)窓となっており開閉できない部分があったり、バルコニー自体がない部屋もあります。そのため高層マンションでは居住者が窓ガラスの外側を掃除することは事実上不可能で、専門業者が代行(屋上からゴンドラを吊るして作業する)せざるを得ません。このガラス清掃業務費が当該マンションでは1か月あたり107万3600円(年間で約1288万円)予算計上されています。

共用施設も充実していますので、プール・フィットネスクラブ・スカイラウンジ・ゲストルーム・敷地内公園からエントランス・廊下・ゴミ置場に至るまで日常清掃業務費が月額316万円(年間約3793万円)かかることになっています。

さらに、防犯対策がしっかりしているためマンション内に防災センターが完備されており、常駐警備スタッフが24時間365日体制で居住者を見守っています。建物内を定期的に巡回管理する力の入れようで、セキュリティーに対する安心感が増す反面、こうした警備スタッフにかかる費用が月額で458万円(年間約5499万円)必要で、もちろん居住者が全員で負担することになります。


■「管理費会計」として動くマネーは年間4億5700万円

その他にもフロントサービスが充実しており、専門のコンシェルジュが来客受付・館内施設の予約管理・DPE(写真現像)・レンタカーやタクシー予約・クリーニングなど各種サービスを提供してくれますが、こうしたコンシェルジュスタッフ業務費が1か月で153万円(年間約1836万円)かかっており、ひとつの街といっても過言ではない費用(マネー)が動いているのです。

当該物件におけるマンション管理会計のキャッシュフロー(管理費会計の収支)をみると、「管理費収入」が月額2260万円、「駐車場使用料収入」が同1500万円、その他同50万円で合計3810万円が1か月に管理組合に入ってきます(年間では4億5700万円)。この中から上記の各種費用や受託管理業者への委託費(月額200万円)が支出され、管理組合運営が成立するのです。


■チリも積もれば山となる

居住者1人ひとりの負担はせいぜい1万~2万円程度ですが、大規模やタワーマンションとなると数百世帯、いや場合によっては1000戸超となるだけに集まる金額も半端ではありません。だからこそ共用施設やセキュリティを充実させることが可能となるのですが、

  • ほとんど必要のないサービスに余分な経費をかけている
  • 他社に委託すればもっと安く提供を受けられるものが、金額が大きいために見過ごされている(競争原理が作用しない)
といった弊害が起こりやすいのも事実です。

みなさんがお住まいのマンションの『資産価値』を上げるも下げるも居住者の意識ひとつです。これを機会にマンション管理の会計について関心を持ってもらいたいと思います。


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