橋下知事、まずは人件費に大ナタ
平成18年度の市町村と都道府県の一般財源に対する人件費負担率。地方財政白書より。 |
地方公共団体の人件費は、義務的に発生する経費の半分ほどに至ります。また、市町村よりも都道府県のほうが人件費の占める割合が高いのが特徴。平成18年度決算では、市町村の一般財源に占める人件費が26.7%なのに対し、都道府県の場合は37.7%になります。
これは、都道府県の場合、市町村と違って警察官を雇用していること、また、学校の教職員人件費の負担額が大きいことなどが理由としてあげられます。
財政への負担緩和か、職員の士気か
労働組合(職員団体)の猛反発を覚悟で橋下知事が人件費の大幅削減を打ち出したのは、このような理由で、府に対する人件費の負担が重いことを考えたものだと思われます。しかし、人件費が下がることから発生する職員のモラール・ダウン(士気低下)の問題をどう処理していくか。キャリア官僚志望の東大生が減っているこのご時世、これでは有能な人材が府庁に入ってこなくなることも心配です。
もっともこのあたりは承知なはずの橋下知事……と思いたいところですが、果たして知事が思った以上にモラール・ダウンは進行していくのか。それとも橋下知事にはそれを食い止める秘策があるのか。うまくいかないと、大阪府は目先の千円札をとることに急ぎ過ぎ、かえって大きなものを失うことになるかもしれません。
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