もう1つのチベット、ブータン王国
もっとも残りの2割がネパール人で、ブータン政府のチベット文化主義に対して反発するネパール人が反政府組織などを作り抵抗。多くの難民を生んでしまい、ネパールとブータンはあまり仲がよくありません。
1907年に国王として初代ワンチュク国王が即位していらい、現在は5代目のワンチュク国王が在位しています。今までは、国王による親政、つまり純粋な「王制」で国を運営してきました。
ちょっと奇妙な民主制移行
さて、1972年に即位した4代目のワンチュク国王は近代化を目指すなかで、「小国が生き残っていくためには、国王ひとりに権力を集中させてはならない」と考えました。そこでこの前国王は政党を結成させ、総選挙を行わせて議会制に移行することにしました。昨年末には上院選を、そして今月24日、政権を決定する下院選が行われました。その間、前国王は今の国王に位を譲っています。
思いもかけない形で民主化が進んでいるブータンですが、国民の反応はやや戸惑い気味。ネパール系住民以外にとっては、王制がそれほど圧政でも苦しみでもなかったので、「何でこんなことするの?」という人も出る始末。
この「上からの民主化」が国民をうまくリードできるかどうか、注目です。
■関連サイト 国民総幸福って!? ブータン