(記事掲載日/2007.1.13)

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今週の政治用語解説は、「PFI」についてです。これによって社会資本の整備を充実させたまま、国や地方自治体の負担が減るといわれている魅力的なものですが……簡単に説明して行きます。

社会資本を民間主導で整備する

PFIの概念
公共サービスに民間企業などを取り入れるのがPFIの発想。
図書館や博物館、公立病院や公共駐車場といった、われわれにとって必要不可欠な社会資本(インフラ)。しかし、国や地方自治体の財政難で、この社会資本の整備が難しくなっているのが現状です。

そこで、資金のある民間企業などに参加してもらうことで、効率的で質の高いインフラ整備をしてもらえないだろうか。これが、PFIの発想です。

PFIという手法を最初に始めたのがイギリスです。1986年、「クイーンエリザベス2世橋」の契約を政府と民間企業が結んだことがきっかけになって、PFIの有効性について検討が進められることになり、1992年に本格的に導入されました。

日本でもこれにならって、1999年に「民間資金等の活用による公共施設等の設備等の促進に関する法律」(PFI法)が施行されました。

内閣府のホームページによると、2005年現在地方自治体が行っているPFI事業が142、国が行っているものが18となっています。廃棄物処理施設が最も多く、ついで老人福祉施設、となっています。刑務所がPFIで建設されたケースもあります。

PFIはどのようにして行われるのか?

PFIの手法は大きく分けて3つあります。

民間企業などがインフラを建設・維持・管理運営を行い、契約期間終了後に民間企業などがインフラを解体・撤去する方式をBOO(Build Own Operate)といいます。

これに対し、民間企業などがインフラ建設・維持・管理運営を行ったあと、契約期間終了後に地方自治体などに施設を移管する方式はBOT(Build Operate Transfer)といわれています。

一方、民間企業などがインフラ建設を行った後、地方自治体にインフラを移管し、運営権を得る方式をBTO(Build Transfer Operate)といいます。

いずれにせよ、インフラの運営が地方自治体などから民間企業などに移ることで、民間のノウハウが生かされ、効率的な運営が行われ、地方自治体の財政負担も減る、といわれ、期待されている手法です。

また、民間企業などにとっても、今まで地方自治体などが独占していた事業を行い、新たな事業が展開できるということになるため、民間経済の活性化につながるともいわれています。

実際に、PFI方式によって市立病院の維持管理や学校の整備、図書館建設などが従来より10%削減できたという事例が報告されています。

PFIの問題点は?

問題点
PFI方式で効率ばかりを考え、公共サービスの質が低下してはいけない
まず第一に、発注する民間企業をしっかり見極めなければ、かえって高くついてしまったり、あるいは公共サービスの質が低下する、ということがあります。

特に費用の面だけ重視して発注し、安く建設ができたけれども、民間企業が大きな利益をあげるために利用者に対するサービスを低下させてしまうことがあってはいけません。しかし、そういうことが起こらないとは限りません。

地方自治体側も、安直なPFI導入に走らないことが必要です。発注された民間が採算が取れるかどうかを見極めなければなりません。しかし、実際には採算が取れず、失敗したケースもあるようです。

総務省はPFIの推進によって、今後およそ30年間で2700億円の削減ができるとしています。しかし、PFIの導入はここにきて伸び悩んでいるともいわれています。失敗しないPFIのためには、今後、PFIの詳細なノウハウ作りと自治体間の共有が必要になってくるでしょう。


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※参考書籍・サイト
『地方自治の現代用語』阿部齋・今村都南雄・岩崎恭典ら/編 2005 学陽書房 
日本経済新聞
西日本新聞
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。