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シリーズ"家計"通信費3倍に 40年の変化(2ページ目)

過去40年間の家計の変化から、10年前に転機が現れたことが分かります。衣食住に代わって重要視されるようになったのは?収入に見られる変化とは?

執筆者:石原 敬子

税金と社会保険料が倍増!

図表4-2は、実収入に対する直接税と社会保険料の割合について、40年間の変化を追ったものです。

図表4-2  実収入に対する非消費支出の割合、40年の推移
(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、出所:総務省「家計調査」)


収入のうちの税・社会保険料負担は、40年前に比べて、最近はなんと1.9倍!

将来に対する不安を抱く人が増えているようですが、収入が安定的に増加すれば、不安は解消されるでしょうか。公的年金など、老後の収入の確保が信頼できれば、不安は解消されるでしょうか。貯蓄が増えていけば、安心できるでしょうか。

収入のピークは10年前

では、収入がどのように変化してきたのでしょうか。

この40年間で実収入が一番多かったのは1997年。もう10年前のことです。1997年は可処分所得の額もピークでしたがその後は減少し、2003年以降、この数年の可処分所得はほぼ横ばいです。

この数年、企業は業績の好調ぶりを従業員に反映する形として、給与よりもボーナスに成果配分をするという成果報酬型に切り替える傾向にあります。しかし、臨時収入・賞与のピークは91年の10万5,359円で、07年には7万4,922円、ピーク時の7割水準にとどまってしまっていることに驚かされます。

妻の収入、2.3倍に増加

収入が増えないことが、妻の働き方に変化をもたらしたのでしょうか。図表4-3は、世帯の実収入に対する妻(統計では「世帯主の配偶者のうち女性」としている)の収入の比率を、40年間追ったものです。

図表4-3 実収入に占める、妻の収入割合の推移
(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、出所:総務省「家計調査」)


妻の収入の割合が40年間で2.3倍に増加していることから、共働きが増えていることが想像できます。おそらく正社員で働く妻が増えていることも、妻の平均収入増に影響しているでしょう。

では、貯蓄に関してはどうでしょうか。次のページでは、収入からどれだけ貯蓄に回しているかの変化を見てみましょう。
非消費支出(円)実収入に占める非消費支出の割合(%)
19676,6868.5%
197729,69910.4%
1987
73,29915.9%
199798,17916.5%
200786,05916.3%
世帯主の配偶者(うち女性)の収入(円)実収入のうちの割合(%)
19673,3964.3%
197719,3046.7%
1987
38,3028.3%
199756,1159.4%
200752,3799.9%
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