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物価を動かす4つの要因と、新事実(2ページ目)

ガソリン価格が再び値上げに転じました。需要が供給を上回ると値上げになるのは周知の事実。しかし現実はいろいろな要因が。気になる物価が決まるしくみについて、具体例で再確認してみましょう。

執筆者:石原 敬子

需要と供給」を動かす4つの要因

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需要と供給のバランスを崩す要因には、どのようなものがあるでしょうか。主として、需要を左右する要因が2つ、供給を左右する要因が2つ考えられます。

●需要を左右する1つ目の要因=産業や文化の発展

産業や文化が発展すると、需要つまりモノを買いたい量が増えます。

原油などエネルギーや、金属などの素材、食糧など、そしてそれらの加工品は、人々が現代の生活を送る上で必要なものは挙げればきりがありません。これらの価格は、現在、総じて上昇基調にありますが、その理由は、中国やインドなど、人口の多い国で経済が急速に発展していて必要とされているからだといえます。

●需要を左右する2つ目の要因=投機家の思惑

世界中には、資産を殖やそうとする投資家や投機家がいます。上記のように、モノの価格が上がるとか逆に下がるなどと予想される場合、先回りして買っておいたり売り建てておいたりし、思惑通りになれば後に清算することで利ざや稼ぎが出来ます。エネルギーや素材、食糧などは商品相場で取引されているものが多く、その価格がモノの価格に少なからず影響を与えています。

●供給を左右する1つ目の要因=生産量

ほとんどのモノは、常に一定の数量が世の中に出回っているわけではありません。エネルギーや素材の採掘や製造、農産物の生産、漁獲量は、天候や規制などの条件によって量が増減しています。

例えば、最近の例では、オーストラリアの干ばつで小麦の取れ高が減少し、そのために業務用小麦粉の価格が高騰しています。また、アメリカの天候不順の影響で、オレンジの価格が高騰しています。国内でも長雨や台風などの影響で野菜やコメの価格が高騰したり、好天に恵まれて農産物が安く出回ることはよく聞く話題だと思います。

●供給を左右するもう1つの要因=原料の価格

原料の価格が引きあがったことで、コスト高によりその加工品が大量に作れなくなってしまうことがあります。加工品の場合は、原料を調達するコストと、その加工品の価格との間で採算が合わない場合、その加工業者が撤退したり業務を縮小したりすることもあります。その影響で、加工品が出回りにくくなります。

このように、さまざまな背景が影響して、需要や供給の量は常に変化しています。これらの要因は、影響する度合いが大きい時もあれば全く影響しない時期もあります。これらが常に綱引きをし合い、バランスの取れた位置で価格が決定することになるのです。

これらの要因が絡み合うと、どのようになるのでしょうか?さっそく次のページへ!
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