文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
株式、素材、エネルギー、土地の価格などに上昇が見られるようになり、いよいよデフレの時代に終わりを告げようとしています。「デフレは悪だ」「早くデフレからの脱出を」とあちこちで叫ばれていたデフレの時代はついこの前までのこと。

最近になってインフレの話題が聞かれるようになりましたが、では、インフレはどのようにして起こるのでしょうか?

<INDEX>
モノの反対はお金(1P目)
需要と供給って・・・実際、ナニ?(1P目)
インフレの原因は、モノから?お金から?(2P目)
“現状の日本は、両者混合(2P目)

モノの反対はお金

家
3大都市圏の地価が上がり、局地的なインフレに
買い物をするときには、品物とお金を交換します。この場合、お店と消費者の間で品物とお金の価値が同じだと納得したので、品物とお金を交換するのでしょう。このように、物価の話をする際には、モノの反対は、お金となります。

ところで、インフレとは、インフレーション(inflation)の略で、モノが継続して値上がりしていくことをいいます。物価の反対がお金の価値ですから、インフレは、逆から見ると、お金の価値が継続して下がっていくことを意味します。

なお、デフレは、モノが継続して値下がりすること、裏返せばお金の価値が継続して上昇していくことです。

需要と供給って・・・実際、ナニ?

では、インフレやデフレはなぜ起こるのでしょうか。「需要と供給によって決まる」と聞いたことはありませんか。要はモノの量とお金の量のバランスで決まるということです。

例えば、多くの人が2万円のゲーム機を欲しいと思っていて、その人々は十分なお金を持っているとします。そのゲーム機は生産が少なく、どの店に行っても売り切れ状態という中、1台だけそのゲーム機の在庫がある店があったとします。そこに集まってきた人々は、自分が手に入れたいと思ったら、「2万5千円出すから売ってくれ」「3万円出すから売ってくれ」「4万円出すから売ってくれ」と競り合いながら値を吊り上げていくことでしょう。値段が吊り上ると、競りにひとり、二人と脱落して最終的に一番高い値段を提示した人の価格で売買が成立します。

この状態は、{需要>供給}です。ゲーム機よりもお金が多ければ、この状態が成り立ちます。

一方、2万円のゲーム機の在庫が大量に店にあり、人々はあまりお金を持っていないとしたらどうなるでしょう。たとえそのゲーム機が欲しいと思っていたとしても、「いつでも買えるから今すぐに買わなくてもいいや」とか、「2万円をすぐに出せないから我慢するしかないや」などと言ってすぐには買いません。すると店側は、少しでも売れるように値下げをすることでしょう。値下げをすれば、あまりお金を持っていなかった人でも買える値段になり、売買が成立します。

この状態は、{需要<供給}です。ゲーム機よりもお金が少なければ、この状態となります。

このように、インフレやデフレには、モノの量とお金の量の両方が関わっているのです。が、ここで新たな疑問が湧いてきます。決定打となるのは、モノなのでしょうか?お金なのでしょうか?次のページでゆっくり考えてみましょう。