9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻、そして9月29日以降の世界的な株安を受けて、マスコミは「世界恐慌突入か?」という見出しを頻繁に使うようになりました。世界恐慌とは、1929年の株価暴落から始まった世界的な景気の後退のことです。

「世界恐慌突入か?」というのは、これからまた同様の恐慌が始まる可能性があるという意味ですが、本当に始まるでしょうか? 1929年当時と今を比較して検証してみましょう。まずは1929年の世界の状況からです。

【CONTENTS】
1929年当時の世界経済(1P目)
各国の恐慌への対応(2P目)
そして現在の世界は……?(2P目)

1929年当時の世界経済

帝国主義
書籍『帝国主義』
帝国主義の変遷について検証した、アンドリュー・ポーター氏の書籍『帝国主義』

1929年当時は、世界は帝国主義の時代でした。帝国主義とは、一部の国が軍事力で他の国をどんどん植民地化していく考え方のことです。当時はアジアやアフリカの多くの国は、欧米列強の植民地となっていました。

第一次世界大戦後
1918年に終了した第一次世界大戦によって、ヨーロッパは荒廃し、その一方で国土が戦場にならなかったアメリカは繁栄への道を開きました。ヨーロッパ諸国はアメリカに多額の債務を負い、アメリカは債権国となり、1920年代には空前の好景気を謳歌することになります。その一方で、過剰生産や株価の高騰が進んでいきます。

恐慌の開始
世界恐慌が始まった日として歴史に刻まれているのが、1929年10月24日の木曜日、「暗黒の木曜日」と言われている日です。この日に、アメリカのニューヨークで株価が大きく下がり、それが恐慌の始まりと言われています。

ただこの下落について、無視してはいけない点がいくつかあります。まず1つには、10月24日には確かに株価は下がりましたが、その日だけの問題ではなかったということがあります。実際には翌週火曜の29日にも大きく下げましたし、その後数年かけてピーク時の80%以上も下落したという長期的下落が本当の問題でありました。

なぜ世界恐慌が起こったかについては、今でも議論の対象となっています。問題は株価の下落だけではなく、同時に世界で起こった信用不安であると言われています。信用不安とは、企業特に金融機関同士の信用がなくなり、資金が流通しなくなってしまう事態です。経済の血液とも言える資金が循環しないので、経済が動かなくなってしまうことになります。