社会ニュース/よくわかる時事問題

中国製餃子・薬物中毒事件のナゾ

中国製の冷凍餃子で、薬物中毒事件が発生! 餃子以外の冷凍食品も続々と商品回収される一方、体調不良を訴える人も、全国で400人超に上っています。そこで、事件の背景に迫ってみると……

執筆者:志田 玲子

列島パニック! 冷凍餃子で下痢・嘔吐

1月30日、中国製の冷凍餃子を食べた家族が、食中毒症状を起こしていたことが判明! 千葉県市川市の一家が22日、冷凍食品「CO・OP手作り餃子」を食べたところ、吐き気や下痢などの症状が発生。5人全員が重症・重体と、深刻な被害に発展しました。この冷凍餃子は、中国・天洋食品が製造したものを「ジェイティフーズ」(日本たばこ産業の子会社)が輸入。そのため、厚生労働省は31日、天洋食品から輸入していた19社に、自治体を通じて販売中止を要請。一方、「冷凍食品を食べて体調不良になった!」と訴える人は、その後も増え続け、34都道府県でなんと400人超! また、餃子以外の冷凍食品も続々と商品回収され、日本列島は食品パニックの様相……。

死亡事故まで発生! 「メタミドホス」はどこで混入した?

ところで、中毒症状の原因はいったい何? 警察の調べで、有機リン系農薬「メタミドホス」が検出されましたが、実はこの農薬、中国では過去、食中毒による死亡事故まで引き起こしています。それにしても首をかしげてしまうのは、問題の冷凍餃子は、中国側の残留農薬検査に合格していたということ。日本へ輸出する前に行う白菜・しょうがなどの原料の検査で、立派に合格していたのになぜ? 日本の警察は、製造段階で混入した可能性が高いと見ているようですが、殺虫剤にも使われる毒性物質は、一体どこで混入した? 「食の安全」が大きく揺らぐ時代、混入経路の徹底解明が待たれるところです。

【関連サイト】
危ない「中国製品」これだけの理由
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