月島駅から徒歩1分の建設現場。背後には大川端リバーシティ21のタワーマンションなども見える。
今回は、7月下旬から販売が始まった「ライオンズタワー月島」(大京)の販売センターを訪ねました。月島といえば大川端リバーシティ21をはじめ、最近も駅周辺でいくつかの超高層物件が分譲されるなどタワーマンションの供給が盛んなエリアです。そんな土地柄なのでタワーマンションが販売されること自体は珍しくないのですが、今回の物件の特徴はなんといっても環境共生住宅に認定されたということでしょう。環境共生住宅とは地域や環境と調和するための工夫を取り入れたマンションや一戸建てを対象に、(財)建築環境・省エネルギー機構が認定する制度です。

佃界隈の“路地文化”を敷地に再現

低層階の完成予想図。駐車場や駐輪場はすべて地下に設置され、各住戸からエレベーターで行き来できる。
例えばマンションの敷地の約63%を空地とし、屋上緑化なども含め約1万3600本の植栽を植える計画です。また建物の1~2階部分を柱の少ないガラス貼りとし、3階以上の部分が宙に浮いているかのように見える「フローティングタワー」の形状にすることで、地上を歩く人の目線から圧迫感を極力少なくする外観デザインを採用しています。さらに敷地内には4本の「路地」を設け、地域住民も通行可能にしました。今でこそ周辺はタワーマンションが林立していますが、このマンションが建つ佃2丁目界隈は低層住宅が並び、下町らしい「路地文化」の根付いている地域です。建設地にはこれまで運送会社の大きな建物と塀が町を分断するように建っていましたが、そこにマンションを建てることで人びとが行き来する緑の路地を復活させようという試みです。

周辺住民からも感謝の声が

外観は「町を照らす行灯」をイメージしたという。設計・監理を担当した東畑建築事務所と施工会社の前田建設工業、それに事業主の大京は、いずれも過去に環境共生住宅を手がけた実績がある。
ほかにも、敷地内に地域自治会用の町会施設を設けて中央区に寄贈したり、地元にゆかりの深い渡し舟や桟橋のオブジェを配置したりと、地域環境と共生するための工夫が随所に採り入れられています。販売センターには自治会からの感謝状も掲示されていました。「計画を発表した当初は建設に反対していた地元の人たちも、話し合いを進めるうちに環境共生の考え方を理解していただけるようになりました。これまでにいくつかタワーマンションを担当していますが、周辺住民から感謝状をいただいたケースは初めてです。」と話すのは、大京のプロジェクトリーダー・大友武彦さんです。